●●●ノルウェー福祉レポート・4●●●
《老人ホームの様子・内観編》
by Yoko(管理人)
(2001/9/7更新)
Åskollen Bo-og Servicesenter ⇔ Strømsø
Bo-og Servicesenter
画像にマウスポインタを重ねると大きく見られます!
(ネットスケープをお使いの方はごめんなさい・・・)
レポート3の続編です。 ドラメンの老人ホームの内部の様子をご紹介しましょう。 施設長の女性が親切に案内をして下さいました。 上の写真は2か所の施設(オースコッレンとストロムソ)それぞれの中にあるカフェです。日本の施設で言う「食堂」のことですが、名前の違いばかりではなくその使われ方も大きく違っているようです。 いちばんの違いは一目瞭然。何と言ってもとにかくインテリアがおしゃれです!街中のカフェと間違えそうです。ただ、テーブルの配置はかなりゆったりとしていて、車椅子の方でもいっしょにくつろげるようになっています。 2つ目の違いは、地域に開放されていることです。在宅のお年寄りやご家族の皆さんなど近隣の人々が気軽にやってきて入所者といっしょに食事をすることができます。オースコッレン(写真左)のカフェにはオープンテラスもあって、とても気持ちがよさそうな空間でした。 3つ目にはメニューがあることです。カフェなら当たり前のようですが、ここは市の老人ホーム。日本の施設なら食事のメニューを選択する自由はないのが通常なのに、ここでは入所者も好きな食事を選ぶことが出来るそうです。なんだかホテルみたい・・・・ 次にご紹介するのは、デイルーム。 オースコッレンでは、日帰りのデイサービスを利用するお年寄りが思い思いに座っていました。このような部屋にはキッチンがついていて、簡単な料理を楽しめるようになっています。 ![]() ![]() 次にストロムソのデイルームをご紹介しましょう。 右の写真上は、身体に障害があるお年寄りの日帰りサービスの様子です。どうみてもご近所さんのお茶会のような雰囲気でした。 デジカメで撮った写真をその場で見せてあげると、大変喜んでくれました。 右の写真下は痴呆の方のデイサービスの様子です。説明を受けるまでは気がつきませんでした。写真が小さくてわからないかと思いますが、左のお二人は自分でワッフルを焼いて食べているところでした。ノルウェー人は何歳になっても、ワッフル無しでは生きられないようです。 どちらの施設もデイサービスは、1人がだいたい週に1〜3回ほど利用するそうです。回数に制限はなく、中には毎日来る人もいるとのことでした。 オースコッレンでは1日10名程度、ストロムソでは1日10〜15名程度の人が来るそうです。 ![]() 日本に比べるととにかく自由で規則のない施設ですが、タバコだけは特別のようです。火事を引き起こす恐れがあるということで、テラスが喫煙所になっていました。 だけど、冬は寒そう・・・・ 施設の職員は100%公務員だそうです。 ですから労働時間は1日7.5時間の法律通りです。オースコッレンではわずかにボランティアの人もいるとの話でしたが、ストロムソにはいませんでした。 オースコッレンの職員数は述べ約200名、ストロムソは延べ150名ですが、人もお給料も足りないと言います。夜勤などの変則勤務があるので大変だそうです。 施設には先ほどご紹介したデイサービスの他に、いわゆる入所型のホームがありますが、その定員はオースコッレンが75名、ストロムソが57名で、日本の施設と大差はありません。入所待ちの人もいて、地元の新聞記事になったりもしていましたが、その数はそれぞれ10〜15名ほど。新しい施設の計画があるとも言っていたので、今ごろは問題が解消されているかもしれません。 人口の少ないノルウェーだからか、職員の配置システムが興味深いものでした。それは、同じメンバーで内勤も外回りもこなすということです。日本で言う施設の「寮母さん」と在宅介護を行う「ホームヘルパーさん」を両方やるのです。そんな重労働な!とお思いになる方も多いでしょう。 例えば、オースコッレンでは毎日6名が25世帯の地域の在宅のお年寄りを見回ります。同時に4名が内部のお年寄りのお世話をします。これをローテーションで行うことにより、変わりやすい在宅のお年寄りの身体状況を把握することが出来るのだそうです。昔は別々だったそうですが、今のシステムの方が地域と施設が密接になるのでいいと説明してくれました。 長くなりましたので、今回のレポートはここまでにしておきましょう。 次回、入所者のお部屋をご紹介してまとめる予定です。 いつになるかはお約束できませんが、私の気が向いたらすぐにでも・・・・・・・ |