新聞でパラドックスな見出しを見つけました。
「健康やダイエットに、これほど興味が高まったことはない。
スナック菓子を、これほど食べたことはない。」
という見出しと共に、ポテトチップスを試食する人たちの大きな写真が載っています。
ノルウェー人とスナック菓子の関係について、綴った記事をご紹介いたしましょう(Aftenposten、2012年5月19日)。
ノルウェーのスナック菓子企業大手、Kims社では、新製品のポテトチップスの試食が行われていました。
「この業界の競争はとても厳しいです」と担当者は語ります。
ノルウェーのスーパーに行かれた人は、きっとその種類と量の多さに圧倒されるでしょう。
伝統的な、MaarudのポテトチップやPolly社のピーナッツといった定番から、今ではとんでもない量のスナック菓子がノルウェーでは販売されています。
その数、716種類!昨年より97製品が増えています。
オスロの大手スーパーUltraの棚には、その中から183種類のスナック菓子が陳列されています。
しかしちょっと考えてみましょう。
近年、かつてないほど、健康やダイエットへの関心が高まりを見せているのです。
それなのに、「ジャンクな」スナック菓子が、こんなにも盛り上がりを見せているのは矛盾ではないでしょうか?
そもそもノルウェーへ最初のポテトチップスがもたらされたのは、1936年。
ノルウェー最大のスナック菓子企業Maarudの創業者、Thomas Stang氏がアメリカ旅行中、この「エキゾチックな」味覚に注目し、そして母国ノルウェーでの生産に踏み切ります。
そして現在。
2010年、ヨーロッパにおけるスナック菓子の平均年間消費量の統計を見てみると・・・・。
- オランダ:6.9kg
- スペイン:6.6kg
- ノルウェー:6.4kg
と見事に、ノルウェーはベスト3に入っています。
他の北欧諸国を見てみると、5位スウェーデン(4.4g)、9位デンマーク(3.7kg)、17位フィンランド(2.6kg)です。
ノルウェーのスナック菓子消費量は確実に増えています。
2003年には5.2kgでしたが、2011年には6.3kgと、1kg以上が増えているのが分かります。
「ジャンクな」スナック菓子を食べさせるために、業界大手のKimsはこんなキャッチコピーを作りました。
Ingen Kims、Ingen Kos. (No kims, No cozy)。
おぉ~、まるでタワーレコードのようなコピーじゃないですか!
「Cozyであるということは、金曜の夜にリンゴを食べることではないですよ。ようやく金曜の夜の実感を得るために、私たちの製品があるんです」とKims社はコメントします。
確かにノルウェー人は健康やらダイエットやら気にはしていますが、このkos(cozy)という単語に、ひたすら弱かったなぁ・・・。
ヘルシーじゃない物ほどおいしいのも、分かります。
ノルウェー留学中、私もとんでもない量のポテトチップスを消費しました。
共同キッチンでみんなでテレビを見ていると、「当然のように」ポテトチップスの袋が開けられます。それはもう「お約束」でした。
味は日本のポテトチップスとは違うのですが、「やめられない」魅力があったと思います。
さて今年はどんな新製品が、ノルウェー人を楽しませてくれるでしょうか?
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