ちなみにノルウェーの法定就労時間は37.5時間(週)ですから、1日当たり7.5時間です。
残業する人少ないし、これでいいんじゃないの?と思うのですが、さらに短い労働時間を目指す動きがあるようなので、ご紹介しましょう。
ネタ元は、最近とみに経営不振がささやかれているDagsavisenです(2011年1月19日)。
「労働時間を短縮することは、より多くの人が長期的に見て、長く働けることにつながります。」とノルウェーを代表する大きな労働組合の一つYSの代表は語ります。
こうした発言の背景には、労働研究協会がYSの組合員たちに行った調査の存在があります。福祉セクターで働く人々の30%は、将来もその仕事を続けるか確信が持てず、7%の人は、5年後には仕事を遂行できる体調が保てず、辞めてしまうだろうと答えています。
とりわけ医療や介護セクター、保育園、学校といった地方自治体や国の機関で働く人々ほど、悲観的な将来像を抱いています。
こうした現状を受け、SV(左派社会党)のKarin Andersenは、コメントしています。
「労働時間を短縮すれば、人々が仕事を辞めざるを得ない状況を緩和してくれるでしょう。そうすればフルタイムで働ける人も増え、体調を崩して離職してしまう事態を防ぎます。さらに一人当たりの労働時間を減らせば、より多くの労働者の雇用が可能になるでしょう。」
Andersenさんは、具体的に「6時間労働」の導入と実際的な議論の呼びかけを、他紙(Klassekampen)のインタビューで言及しています。
35歳~55歳の労働者のうち約3万5千人が、自分の子どもの世話や両親への特別な援助の責任を担っています。
こうした家庭でしなければならないことも、短時間労働の導入によって、より充実したものになるだろうと考えているようです。
SVの提案だけでは、現実的に難しいかな、という気もします。またこの「6時間労働」運動は、すでに80年代からスローガンとして聞いているものです。
それとも、「6時間労働」を目指してストをする時がくるでしょうか?
ノルウェー社会の変革は、時にとんでもなく、アヴァンギャルドに進むこともあるので、最初から「無理」と決めつけない方がいいかもしれませんね。
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