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ジャンルを問わず、ノルウェーの新聞などから、
面白い・興味深いニュースを紹介するページです。
この度、日記風にリニューアルしました。
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2011年1月22日(土)
私たちは6時間労働を目指します!

ちなみにノルウェーの法定就労時間は37.5時間(週)ですから、1日当たり7.5時間です。
残業する人少ないし、これでいいんじゃないの?と思うのですが、さらに短い労働時間を目指す動きがあるようなので、ご紹介しましょう。
ネタ元は、最近とみに経営不振がささやかれているDagsavisenです(2011年1月19日)。

「労働時間を短縮することは、より多くの人が長期的に見て、長く働けることにつながります。」とノルウェーを代表する大きな労働組合の一つYSの代表は語ります。
こうした発言の背景には、労働研究協会がYSの組合員たちに行った調査の存在があります。福祉セクターで働く人々の30%は、将来もその仕事を続けるか確信が持てず、7%の人は、5年後には仕事を遂行できる体調が保てず、辞めてしまうだろうと答えています。

とりわけ医療や介護セクター、保育園、学校といった地方自治体や国の機関で働く人々ほど、悲観的な将来像を抱いています。
こうした現状を受け、SV(左派社会党)のKarin Andersenは、コメントしています。
「労働時間を短縮すれば、人々が仕事を辞めざるを得ない状況を緩和してくれるでしょう。そうすればフルタイムで働ける人も増え、体調を崩して離職してしまう事態を防ぎます。さらに一人当たりの労働時間を減らせば、より多くの労働者の雇用が可能になるでしょう。」

Andersenさんは、具体的に「6時間労働」の導入と実際的な議論の呼びかけを、他紙(Klassekampen)のインタビューで言及しています。
35歳~55歳の労働者のうち約3万5千人が、自分の子どもの世話や両親への特別な援助の責任を担っています。
こうした家庭でしなければならないことも、短時間労働の導入によって、より充実したものになるだろうと考えているようです。

SVの提案だけでは、現実的に難しいかな、という気もします。またこの「6時間労働」運動は、すでに80年代からスローガンとして聞いているものです。
それとも、「6時間労働」を目指してストをする時がくるでしょうか?
ノルウェー社会の変革は、時にとんでもなく、アヴァンギャルドに進むこともあるので、最初から「無理」と決めつけない方がいいかもしれませんね。

ノルウェーの介護施設から

2011年1月14日(金)
学費?Nei!

今日は久しぶりに大学新聞Universitasから記事をご紹介します(2010年12月1日)。

ノルウェーでは、「教育の機会平等」が徹底しており、親の収入に関わらず、望む人が望む教育を受けられるように、学生ローンの貸付、返済不要の奨学金など制度が整っていますが、何といってもありがたいのは、公立大学では学費が無料という点でしょう。

ただこうした大学の学費が無料という施策は、例えばイギリスで「学費導入」という政府方針に対して、学生たちが大規模なデモが行われ、ヨーロッパの中で揺れています。

ノルウェーの学生たちは、「学費導入」に対して、68%がNeiと回答しています(ノルウェー学生組織NSO調査による)。
「もしノルウェー政府が学費導入を決定したら、まずデモの行進に加わるでしょう」と、オスロ大学の学生Runaは答えます。

しかしながら、ヨーロッパの「学費導入の波」がノルウェーにも影響を与えるのでは?と専門家は指摘します。
「スウェーデンやデンマークが留学生から学費を取るようになったことは、ノルウェーにも波及するかもしれません。ノルウェーへの留学生の数は増えていますから。」
また、専門家はヨーロッパの変化について、学生数の増加とリーマンショック以降の経済危機を挙げています。
「高等教育への支出は、ヨーロッパ諸国の予算の中でかなり大きなものになっています。福祉国家は危機に揺れていて、予算削減に傾く可能性はあります。」

こうした専門家の冷静な分析に対して、現役の大学生たちは反論をします。
「経済的に恵まれない家庭の学生たちは教育を受ける権利をなくしてしまう。」
「僕は地方出身で、もし学費がかかるようになってしまったら、僕の村では大学進学を断念する人が増えるでしょう。」
とまず何よりも、「平等」の原則が崩れてしまう危惧を述べています。

学生たちはまた、キリスト教民主党(KrF)と保守党(H)が推し進める「留学生からの学費徴収」に対しても批判的です。
「これは不平等だ。例えば、チリとアメリカから来た学生はノルウェーで勉強できるかどうか条件が違ってくるでしょう。お金のある国の学生たちしか留学できなくなってしまう。」

私自身、ノルウェーの2つの大学で留学した身なので、何だかひとごとに感じられない記事でした。ノルウェーがデンマークやスウェーデンのようになってしまうのか、今後の推移を見守りたいと思います。

オスロ大学のキャンパス

2011年1月5日(水)
ミステリーはお好き?

お正月中、すっかりノルウェー語から遠ざかっていました。
ですので、本日の紹介記事は、簡単なノルウェー語で書かれた新聞Klar Taleから引用いたします(手抜き?)。

「私たちはミステリー小説を愛する」という見出しの記事(Klar Tale紙、2011年1月5日)を見つけました。ここのコーナーでも、ミステリーについて何度か取り上げましたね。ノルウェー人は普段の平和な生活からの現実逃避でしょうか、このジャンルを偏愛しているようです。

記事によると、昨年ベストセラートップ15冊中、13冊がミステリーだったようです。
一番売れた本は、Jo Nesbøの「Panserhjerte」(24万部)です。彼の作品は、一番初めのサロンで取り上げましたが、「男の美学」に酔いしれるナルシズム全開の作風だった記憶があります。私が男だったら、しびれていたと思います。

2位は、Karl Ove Knausgårdの「Min kamp 1」がランクイン。
これはミステリーではなく、私小説です。当時、結婚していた妻を裏切る様などを赤裸々に描いて、前妻からクレームが来たという曰くつきの作品ですが、この小説はまだまだ続くみたいです。私は彼の前作などを読んでいますが、この作品には全く興味がありません・・・。ともかく分厚いです。漬物石に良い感じ。

3位以降、Unni Lindell(ノルウェーの山村美紗)、Tom Egeland、Gunnar Straalesen、Henning Mankellなど、いずれもミステリーの大物作家の作品がランクインしています。

さて今年はどんな小説がノルウェーで話題になるでしょうか?

ミステリーの女王様、Lindellさん

2010年12月27日(月)
ノルウェー版「無縁社会」?

日本では、NHKが「無縁社会」というシリーズもので、孤独のうちに亡くなっていく人々の特集を組み、今年の注目を集めました。
ノルウェーでは、タブロイドの雄VGがクリスマスを境に「孤独」をテーマに、特集記事を連発しています。
「クリスマスに孤独死増」という気になるテーマの記事をご紹介しましょう(VG、2010年12月27日)。

何でも、ノルウェーの4人に1人は孤独死だそうです。え?そうなんですか・・・。
中央統計局(SSB)の統計によると、12月と1月に亡くなる人が増えるとか。
「12月や1月は、病気や死亡になる確率が高まります。原因は、お年寄りが気管支炎や肺炎を悪化させるから、というものもありますが、別の原因があります。」

ずばり「孤独」によるものです。
救急医のコメントによると、「クリスマス時期に、孤独が原因によるノルウェー人の例がいくつもあります。」とか。
「健康を保つためには、社会的なネットワークや友人関係、家族が重要です。これらの要因は、高血圧や喫煙よりも、より重要だという調査結果があります。
孤独は、悲しみ、不安、鬱状態を引き起こし、あらゆる病気や苦痛、身体的な疾患に悪化するでしょう。」と、識者のコメントが、恐怖心を煽ります。
「例えば非常に仲の良い夫婦が、一方が亡くなってしまった後、わずか数カ月でもう一人が亡くなることは珍しくありません。」う~ん、そういうケースもあるかも。

クリスマスは家族や親せきと過ごすのが、ごくごく一般的なノルウェー。
前から不思議だったんです。「家族のいない人はどうするんだろう?」って。
オスロには、そうした「おひとりさま」が寄り集まれる場所があるとか。
VGでは、「ここで、あなたは他の人たちとクリスマスが祝えますよ!」と呼びかける記事も載せていました。グーヨブ(god jobb)、VG!

しかし、クリスマスに家族や親せきと過ごせるからといって「孤独」ではないと言えないようです。
というのは、クリスマスの後の1月に死ぬノルウェー人が多いことと関係があるようです。
「クリスマスには、社交的な時期になって、少し孤独は癒されますが、1月にはまた1人に戻ってしまいます。1月にはクライシスコールセンターに電話をする人が増えます。」と、教会SOSグループのリーダーは語ります。

中央統計局は、社会的つながりの少なさが孤独につながると明確にしました。家族とのつながりが少ない人の4人に3人は孤独に悩んでいます。そして、友人とのつながりがない人の半分が孤独に感じています。

日本もノルウェーも、おそらく他の先進国も同じような事象が起きているでしょう。
家族や友達がいない人たちを、どうやって「社会的ネットワーク」に拾い上げて行くか、両国の取り組みに注目です。

おそらく今日が最後の今年最後の更新になると思います。
本年も、読んで下さった皆さま、本当にありがとうございました。
来年も、日本ではレアなノルウェーの情報をお届けしたいと思います。
できれば、笑えるニュースが多いことを祈りつつ・・・。

オスロの高齢者センターより

2010年12月20日(月)
クリスマス準備、男女の貢献度は?

「ここは、日本だ!クリスマスばっかり騒ぐんじゃない」
と、ご不満のそこの貴方。すみません、2回連続、クリスマスネタです。私自身、熱烈なクリスマス信奉者じゃないところが皮肉なのですが・・・。

よく日本のメディアでは、男性や女性に「どんなクリスマスプレゼントが欲しいですか?」とおせっかいな調査をして、男性のプレッシャーをハンパなくさせるという状況かと思います。
ノルウェーでは視点を変えた調査が行われているようで、そちらをご報告いたしましょう(Aftenposten紙、2010年12月11日)。

18歳以上のノルウェー人1000人を対象に、「クリスマスの準備」について尋ねました。
クリスマスプレゼントの購入は、女性の担当というケースが59パーセント。男性が担当しているのは、わずか10パーセントでした。
少しノルウェーのクリスマス事情についてご説明をしますと、クリスマスは家族や親せきが集まり、そこでプレゼントの交換が行われます。ということで、プレゼントの購入は「家族行事」といった側面が強いのです。

市庁舎近くのクリスマスマーケットで、ある夫妻にインタビューしています。
「妻が全部仕切っているんだ。」と夫のヴィクトールさんは言います。
ヴィクトールさんの担当は、酢漬けのにしんを作り、パンを焼いて、銀製品を磨きます。残りは全て妻がやってくれます。クリスマスプレゼントの用意ももちろん、妻のイーダさんが担当します。
日本だったら、「夫、よくやっているじゃないか!」と評価してくれそうですが、ノルウェーの新聞記者は、「どうしてそんな風に、男女不平等なのですか?」と夫妻に尋ねます。
「私も不思議なのよね。でもそうなっちゃったのよ」とイーダさんは答えます。

記事では、この夫妻は典型的な例であり、いまだにクリスマスの準備や取り仕切りは、女性の仕事と断定しています。
年齢による違いも少しあるようです。分担は男女で平等にやっていると答えたのは、30歳以下のグループだけでした。

「ノルウェーについて学ぶサロン」では、毎年12月はクリスマスをテーマにノルウェー人からお話をうかがうことが多いのですが、若いゲスト講師でも、伝統的なクリスマスの過ごし方をしているケースが今まで100パーセントでした。
「伝統的なクリスマス」を過ごすためには、準備期間が必要です。
女性の5割が、クリスマスの1カ月またはそれより前に準備を始めると答えています。一方、男性は38パーセントと出遅れ感が否めません。

確かに、日本でも男性はプレゼントを買うのが苦手な人が多いイメージがあります。
長年連れ添った夫婦になると、奥さんは自分でプレゼントを買って、支払いは夫名義のカードというケースもあるのではないでしょうか?
ただ本記事では、「クリスマスの責任をそろそろ男性に譲ってもいい時期なのでは?」と男性の貢献を促しています。
男女平等の波は、伝統行事にも及ぶのか、それともクリスマスは「聖域」なのか、今後に注目したいですね。

あんた、働きなさいよ~

2010年12月15日(水)
クリスマスツリー、ピンチです!

一般の家庭でも、欠かせないクリスマスツリー。
ノルウェーは豊富なツリーがあると思われます。海外へ大きなツリーを輸出しているくらいですからね。でも今年はどうも事情が違うようです。
早速、新聞記事をご紹介しましょう。(Aftenposten紙、2010年12月14日)

ノルウェーのクリスマスツリー業者は嘆きます。
「マーケットに出ているツリーが少ないよ。販売が終わるまでに、ツリーが間に合うか誰も分からないね。」
どうしてこうした事態になったのでしょうか?

今年はヨーロッパ全体がツリー不足です。昨年冬の厳しい気候の冬が、ノルウェーとその他の生産国に被害をもたらしました。
デンマークのツリーも、問題を解決してくれそうにありません。
ノルウェーはたくさんのツリーをデンマークから輸入してきました。しかし、2000年頃からデンマークの農民は木を植栽することを止めてしまったのです。値段の下落がその原因です。ということで、デンマーク産のツリーは、希少価値のものとなってしまいました。

業者は、「ヨーロッパ中集めても、ツリーは少ないです。今年は、奪い合いの様相ですよ。ノルウェーの業者が必要な分だけ確保できるか・・・・。」と心配顔です。

日本でもIKEAに行けばツリーが手に入ると思っていたのですが、IKEAはどこから入手したのかしらん?
いずれにしても、みんなの家にツリーが届きますように、サンタさん(ニッセさん)、お願い!って私が祈っても、普段の行いの悪さが邪魔して祈りが届かないような・・・。

高嶺のツリー?

2010年12月10日(金)
ノルウェー人村 in スウェーデン

昨日、ノルウェーが北欧の中で最もリッチな国だと報道がありました。
そんなノルウェー人のあるグループが、スウェーデンでノルウェー人村を作っているとの記事を発見。早速、ご紹介しましょう(Aftenposten紙、2010年11月27日)。

「あるグループ」とはずばり、ノルウェーの年金生活の人々です。
南スウェーデンのVänern周辺に、ノルウェーの年金生活者ばかりが暮らしている集合住宅があるそうです。その数、約11000人。よく老後は、太陽があって物価が安いスペインに移住する人が多いと聞きますが、それでも約4650人。スウェーデン>スペインの図式ですね。

スウェーデンのMariestadという町は人口24000人。うちノルウェー人年金生活者が500人にも上ります。ここは一種の「ノルウェー村」が形成されています。

こうしたノルウェー人の年金生活者のスウェーデンへの移住は2000年に始まりました。
自治体でもう使われない建物を、民間企業が買い上げ、ノルウェー人の誘致に努めたのです。
価格は、やはりスウェーデンの方が安いですから、自分の故郷の家を売って、スウェーデンの集合住宅へ引っ越してくる人たちが誕生したという次第です。
物価も安いし、言葉も生活習慣も似ているから、ノルウェー人にとって抵抗が少なかったことが容易に想像できます。

Mariestadの市長さんも、「ノルウェー人はこの市で重要なグループになりました。町のお店を利用し、これは何?と尋ねてきます。彼らが町にやって来たことで、一つもネガティブな要素は見つけられません。」とノルウェー人を歓迎している様子がうかがえます。

若いスウェーデン人は仕事を求めてノルウェーへ移住し、お年寄りのノルウェー人は物価の安いスウェーデンへ老後の生活を送るために移住してくる、という興味深い構造が両国間で生まれています。

アルコールやお肉を買いに行くだけの買い物だけではなく、老後の生活も「安い」スウェーデンで。
もちろん、ごく一部の傾向ですが、今後の発展に注目したいですね。

老後はのんびり・・・

2010年12月3日(金)
ノルウェー版忘年会事情

早いものでもう12月。
すでに10月から日本もノルウェーもクリスマスのデコレーションなど始まってきました。
ノルウェーには、たくさんのjul(クリスマス)がつく単語があります。
julebordもそのひとつ。「クリスマスのテーブル」を意味する単語ですが、内容は、日本でいうところの忘年会。
一般的に会社もちで、職場の同僚たちとクリスマス料理を食べたり、お酒を飲んで、ダンスをしたり、とまあ楽しい会のようです。
昨年のサロンで、ゲスト講師のInaから「リーマンショック以降、julebordが地味になっている」と聞きました。
ずいぶん前の記事で、この「Julebord」について特集していた記事があったので、最近の傾向をご紹介いたしましょう(Aftenposten紙、2010年11月4日)。

まず地理的なお話から。
オスロとその隣の自治体アーケシュフースは、julebordの席に付ける確率が高い地域です。オスロでは71.6パーセント、アーケシュフースでは71.5パーセントの割合でjulebordに参加するチャンスがあります。

一方、ベルゲンやトロンハイム地域は、数字が低くなっています。
ベルゲンでは61.2パーセント、トロンハイムは62.5パーセントの割合しかjulebordに参加できません。東>西の図式ですね。

またその人が公務員か民間企業勤務かによっても、julebordの形態は変わってきます。
公務員のうち3人に1人が、julebordに全然、職場からの経済的援助はありません。つまり自分持ちです。一方、59.1パーセントの公務員は全額または一部、職場からの経済的援助があります。う~ん、日本だと問題になりそう・・・。

民間企業では、72.1パーセントが会社もちでjulebordを開催します。
そのうち、銀行や金融、IT企業がもっとも羽振りが良いとのこと。こういうのを「勝ち組」とか言うんですかね~。ノルウェーの学生で経済・経営学部が人気があるのもうなずけます。

とかく外食はとんでもなく高くつくノルウェー。
人のお金で食べる料理、飲めるお酒はまた格別でしょう!
ただ帰りの道は、ツルツルに凍結しているので、酔っぱらって転倒に注意してくださいね。
あと、酒の上の「あやまち」も多いと聞いています。
穏やかなクリスマスを過ごすために、家庭内の不和を起こさないようにしましょうね♪
・・・って、私がここで書いても、何ら効果がないんですけど・・・。

サンタも走る師走

2010年11月26日(金)
ノルウェーカップ、移転?

ノルウェー通のみなさんは、「Norway Cup」をご存知でしょうか?

ノルウェーでは知らぬ者はない存在ですが、日本での知名度はイマイチです。
「Norway Cup」は、毎年夏、オスロで行われるジュニアの世界最大のサッカー選手権です。以前、在日ノルウェーサッカー通のりさねんねんさんが、「Norway Cup」の観戦記を書いてくれました。1972年から続いているノルウェーの夏の風物詩です。

国内外の1000以上のチームがオスロの東、Ekebergslettaという場所を中心に熱戦を繰り広げる季節になると、ノルウェーのメディアはこのニュースがたくさん流され、「あ~、もうすぐ夏休みも終わりだな~」と感慨にふけります。
そのNorway Cupのニュースが冬にも流れていたので、ご紹介いたしましょう(VG紙、2010年11月25日)。

何でもオスロでの開催はお金がかかりすぎる、との事実がことの発端です。
Norway Cupのディレクター、Kyvåg氏によるとオスロ市への支払いが近年で2倍に膨れ上がってしまったそうです。何でも以前は無料だったサービスに、金銭の支払いが発生するようになったとかで。財政難はどこも同じですね。

そこでNorway Cupの開催地をオスロから別の場所へ移すことが検討されましたが、それにオスロ市の政治家たちは「待った!」をかけています。
「Norway Cupがオスロで開催されることはとても重要です。Ekebergslettaでスタートし、全世界に向けての巨大なイベントに成長しました。」とKvalbein氏(キリスト教民主党)はコメントしています。

移転先の最有力候補は、オスロからほど近いリレストロムです。
ただ長年、オスロのEkebergslettaで行われたことに愛着がある人は当然、たくさんいるわけで今後の動きが注目されます。

私もNorway Cupを見たことがありますが、男の子も女の子も生き生きとプレーしているのが印象的でした。
選手の肌の色も様々で、ノルウェー人の大好きな「国際交流」がサッカーを通じてできるこのイベントは、ぜひこれからも、続いてほしいものです。

でもなんで、日本のチームは参加しないのでしょう?それとも最近はしているのかしら?

将来のノルウェーカップ出場者?

2010年11月19日(金)
ノルウェー人、うまれました!

最近、「寒いですね~」が挨拶代わりになっていますが、ノルウェーの寒さを思い出せば、こんなもの!と鼓舞しています。
そんな寒くて暗い(冬の話です、念のため)ノルウェーに、新たに9000人のノルウェー人がうまれたそうです。といっても、新生児の話ではないですよ。
ネタ元は、そうです、たまにはタブロイドのVGからいただきました!(VG紙、2010年11月18日)。

一部で悪名高いUDI(移民局)の統計によると、今年の今時点で、9011人にノルウェー人としての「市民権」の許可を与えたそうです。一方、残念ながら「不合格通知」をもらってしまった人は4280人。意外と狭き門?
ちなみに昨年は、11000人に市民権が与えられ、3000人ちょっとがダメだったそうです。

市民権を得た人たちの元の国籍は、イラク、ソマリア、アフガニスタン、ロシア、イラン、パキスタン、スリランカといったところが多いとか。なんかみなさん、暖かい国から寒い国へご苦労さまです(除:ロシア)。

ところでこの市民権を得るための条件は、ここ10年間のうち7年間、ノルウェーで法律を犯さずに暮らすこと。あんまりしょっちゅう自国へお里帰りしちゃってばっかりの人は、日数が足りなくなります。いわんや犯罪行為はダメですね。

いつ頃からでしょうか、新聞などでただのnordmenn「ノルウェー人」ではなく、etniske nordmenn(純粋なノルウェー人?)という表現がたびたび目につくようになりました。
単なるnordmennは、今ではいろいろな肌や髪の色の人がいます。
だから、普通に「ノルウェー人は~です」というレトリックが通用しない日がくるかもしれませんね。

僕には市民権なんかいらないニャ~

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