今年の冬、ノルウェーでは記録的な大雪でした。
悪天候+技術的な未熟さ、という悪条件が重なり、ノルウェー国鉄(NSB)の電車が遅延になったり、運行停止になったニュースが、今冬、連日のように伝えられていました。
それを読んでいると、「まだまだ日本の電車は事故が少ない・・・」と、JR、メトロ、私鉄で働く皆様に感謝の気持ちでいっぱいになる、と自分の中で善行を積んでいる気持ちになれました。
では、電車トラブルまみれだったノルウェー人は悪行に染まっていたのでしょうか?
Neei!と我が身を呪っていたのでしょうか?
Aftenpostenの記事に、平和的に、電車トラブルに接していた男性の記事が載っていたのでご紹介いたしましょう(2010年3月29日)。
彼の名はPer Erik Brozさん。ドランメン線を利用し、オスロ中央駅とHokksund間を通勤で利用しています。
彼は、電車の遅延などを記録し、今年の1月、彼の利用している区間できちんと運行できた割合は、44パーセントと正確な数字を把握しました。ということは半分以上が運行トラブルに見舞われた計算ですね。
今年の冬の運行トラブルは、NSBでも記録的なものでした。1986年以来だそうです。
「疑いなく、ここ最近では最悪の年だった」と、NSBの広報部長Jan Erik Kregnesさんは語ります。
この最悪の年に当たってしまったPerさんの救いは、リュックに入っていました。
ラップトップパソコンです。
彼はブログに、電車で10分以上の遅延が起こる度に、「今、何が起きているか」を書き連ねました。
「どうして、あなたは遅れてきたの?と同僚たちは尋ねます。その度に何度も同じ答えをするのにうんざりしたので、ブログを書くことによって、同僚たちに事情を理解してもらおうと考えました。」なるほど~。
「電車トラブル」ブログはさらに進化を遂げ、Perさんの知人たちが遅延情報の提供を寄せてくれたり、Perさんもカメラを持って、電車トラブルの様子を写すようになりました。
さらにさらに、読者たちが、遅延情報をブログに寄せるようになりました。「いつものように(遅れています)」が、よく使われる表現です。
記者は尋ねます。「パソコンを取り出すことで、電車トラブルへの怒りやフラストレーションが鎮まりますか?」
Perさんは答えます。「もちろん!本当にいい方法だよ。」
私はノルウェーにいた間、「忍耐力」が増したような気がします。
精神修養を積みたい方、冬のノルウェー滞在をオススメいたします♪
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