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2008年12月26日(金)
ゲームの売り上げ堅調です


例えば、日本で日本語を勉強しているノルウェー人に「趣味は?」と聞くと、「ゲーム」という答えが多くかえってくる印象があります。

自然を愛し、1日中ただ家にいると、「良心の呵責をおぼえる」というノルウェー人もゲーム機の前には無力なのでしょうか?嗚呼!
新聞に関連記事がありましたので、取上げてみましょう(Aftenposten紙、2008年12月20日)。

世界経済危機が叫ばれ、消費の落ち込みがよく話題に上る昨今ですが・・・。
ノルウェーにおけるゲームの売り上げは堅調だそうです。今年もこれまでのところ、前年比11パーセントの売り上げ増とのこと。専門家も、「外に出かけるよりも、家で遊ぶことを選択しているようだ」とコメントを寄せています。

昨年のクリスマス商戦では、ソニーのプレイステーションが他のゲーム機を凌駕していましたが、今年は、さらにNintendoのWiiやMicrosoftのXboxも善戦しているそうです。

同記事には、ゲームユーザーの声も載せています。
子どもたちにゲームを買った41歳の弁護士さんは、「ゲームをやるようになって、テレビを見る時間が減ったと思うよ。あと、ゲームをしている間は経済危機を忘れられるね」と現実逃避的なコメントですね。

このまま経済状況が悪化しても、ゲーム市場は影響がないのでしょうか?
推移を見たいですね。
あと、日本に興味を持つるノルウェー人には、やはりゲームやアニメといった分野がこれからも有効なんだな〜という気がします。


この人、ノルウェー人です

2008年12月12日(金)
「ホルテンさんのはじめての冒険」


残念ながら、日本で上映されるノルウェー映画は少ないです。

ということで、ノルウェーファンを自認されている方ならば、すでにお正月第2弾公開予定の「ホルテンさんのはじめての冒険」(ベント・ハーメル監督)は楽しみにしていますか?
一足先に、試写会にて本映画を観ることができました。ご紹介いたしましょう。

「キッチン・ストーリー」や「卵の番人」と同じように、本編の主人公は男のおひとりさま。別にハンサムであるわけでも、すごい行動力があるわけでもなく、ごくごく平凡な感じのノルウェー人です。
ずっとパイプを手放さないのが特徴ですが、「キッチン・ストーリー」でも、主人公がパイプをくゆらすシーンが印象的でした。厳しい禁煙法が徹底されているはずのノルウェーですが、映画ではそんな国には見えません。

主人公オッドはベルゲン線の運転手です。
そう、あの美しい景色が堪能できるベルゲン線。私は夏にしか乗ったことがないのですが、本編では冬の雪景色を走るベルゲン線が堪能できます。
オッドは定年間近。ずっと規則正しい生活を送ってきました。

定年前日に、運転手仲間が祝いの席を設けてくれるのですが、このシーンは皆の鉄道ヲタぶりがユーモラスに描かれています。
といってもベント・ハーメル監督の映画です。セリフは最小限、ナレーションもありません。くすっと笑える小さなエピソードが、つつしみ深く積み重なった映画です。

セリフはとても少ないのですが、聞き取りやすいです。
「Hva heter du?」(君の名前は?)のような基本フレーズも登場し、ノルウェー語を学習中の人ならば、「あ、これなら分かる!」と楽しめる内容です。

定年当日、偶然、最後の運転に間に合わなかったオッドは、規則的な生活が崩れ、混乱してしまいます。
といってもベント・ハーメル監督の映画です。美女が現れたり、派手なカーチェースがあるわけではありません。でも、オッドにとっては運命的な出逢いがあり、最後に彼は思い切った行動を取りますが・・・。

オフシーズン、観光名所ではないオスロ。
ミニマリズムの、削ぎ落としたセリフと画面。重くない沈黙。
狙った感がない、おかしな人々とふるまい。

ノルウェーの「小津」を楽しみませんか?

2009年お正月第2弾
Bunkamura ル・シネマ(東京・渋谷)他にて上映

公式ホームページ:http://www.horten-san.jp





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★公開情報
2009年正月第2弾 Bunkamura ル・シネマ他、全国順次公開
配給:ロングライド

2008年10月29日(水)
劇作家Lene Therese Teigenさんと会いました


この欄ではご無沙汰しています。

はい、生きてます。ご安心ください!
今夜は、来日中の劇作家・演出家のLene Therese Teigen(レーネ・テレーセ・テイゲン)さんと会うことができました。いろいろと印象深いお話を伺えたので、書き記したいと思います。

レーネさんは、12月に「劇団朋友」によって上演される「9人の女」(原題:Mater Nexus)の演出のため来日しています。
私たちは、銀座のお店で一緒に夕食を食べました。ノルウェー人は、たいてい、日本で出される食事をおいしい、食器もインテリアも素敵、店員さんのサービスも素晴らしいと誉めてくれるので、私は日本の飲食業に従事されている皆さまに、心から感謝しています!

オスロやベルゲン大学で演劇学を学んだレーネさんの経歴はとても豊富なもので、ご興味のある方はぜひ彼女のCVをご覧下さい。日本以外でも、南アフリカ、マレーシア、スリランカなどの国でお仕事の経験があるそうです。
戯曲以外に小説の出版もあり、また現在、新しい小説と戯曲を執筆されているとのこと。日々の演出だけでも大変な仕事量だと思うのですが、その旺盛な創造力に、怠け者の私は刺激を受けました・・・。

レーネさんに、前からノルウェーの演劇界で抱いていた疑問を聞いてみました。
例えば、「劇場に正規雇用されている俳優の存在」についてです。
向こうで芝居を見ると、大体の役者さんが、「国立劇場の正規雇用」とか紹介されています。
日本では俳優業というものは、究極の「自由競争」であり、フリーランスであることが前提だと思うのですが、ノルウェーの役者さんは「正規雇用」という生活保障があるので、ずいぶんとノルウェー・日本では意識が異なるのかな、と思っていました。
という印象を述べたところ、レーネさんは「ノルウェーは政府によって文化的な事業がかなり支援されている」と認めつつ、「劇場で正規雇用される役者はごく一部であり、ほとんどはフリーランスで、競争は苛烈。生活に苦しんでいる場合が多い」と教えてくれました。

特にその「生活難」に直面しているのは、若い女優だそうです。
古来、ほとんどの戯曲は男性の役が多く、女性の役は少ない。従って女優の出番は少ない。少ないキャリアの女性は、一番出番が少ない、という負の連鎖があるとのこと。
「演劇の夢」を捨て、先生や保育士に転職するケースが散見される、という事実を語ってくれました。

その話を聞いて思い出したのは、ノルウェーのメディアで度々、「ノルウェーの演劇界は男性の演出家、男性の役ばかり。女性のチャンスはほんのちょっと!」というテーマが取上げられていることでした。
その点について尋ねたところ、こんな議論はさすがのノルウェーでも10年前は一笑にふされたそうです。でも、段々と女性の演出家が登場し、それにつれ現状に不満を訴える女性が増えているのがその背景にあるとのこと。
現在の文化大臣Trond Giskeさんは男性ですが、彼自身、この問題改善には積極的だと評価されていました。

あと私が質問したのは、ノルウェーの俳優は学校で演劇を学んだ人が多いという印象が事実と当たっているか尋ねました。これは当たっていました。
演劇カレッジ(英国を含む)で学んでから俳優になる人が、現在では大多数だそうです。
この分野でも、教育と職業が密接にリンクしているのだな〜と感じました。

ノルウェー人の俳優と仕事をすると、た〜くさ〜んの質問や意見をぶつけられるそうです。
俳優たちは非常に自発的であり、「私はこう考える」「こう思う」と演出家に言ってくるとか(でもちゃんと15時には帰るように、カバンを握り締めているそうです)。
なんか想像できますね・・・・。
それに全部答えるのは疲れるけれども、いわば共同作業的に互いの創造力を高めることができると、レーネさんは言います。

まだ来日して10日余りのレーネさんに、日本ぽいところを見てもらいたいな〜と一緒に覗いたのが、デバ地下、パチンコ屋、吉野家でした。Er dette riktig valg?

「9人の女」の情報は劇団朋友のサイトからご覧になれます。
また11月7日(金)はノルウェー大使館にて、楽しいプレイベントがあるそうです。
毎日、東京で忙しいスケジュールをこなしているレーネさんの世界に触れたい方はぜひ、劇場へ!


レーネさん

2008年3月11日(火)
ポースケ(イースター)=山でスキーは幻想?


ノルウェー語でイースターのことをpåske(ポースケ)と言います。
今年も、もうすぐポースケがやってきます。ノルウェーでポースケといえば、山に行ってヒュッタ(セカンドハウス)に泊まりながら、クロスカントリースキーを楽しむ、というイメージが強いです。しかし、そうした休暇スタイルはメディアが作ったイメージに過ぎない、という
興味深い記事がAftenposten紙(2008年3月9日)に載っていたので、ご紹介いたしましょう。

「国民みんなが、ポースケに山やヒュッタへ出かけるというのは”神話”に過ぎません。そもそも”みんな”が山に出かけた時代など存在しないのです。そうした行為は、国家的かつメディアが作り上げたセルフイメージと言えるでしょう。
ポースケ休暇というものは常に、少数の人の現象だったのです。もちろん、ノルウェーらしさの重要な一部と言えることはできますが。」と語るのは、スタヴァンゲル大学の観光業研究者であるイェンス・J.ヤコブセンさん。

私が留学時に読んだテキストには、「ノルウェー人はポースケ休暇中、山にあるヒュッタへ出かけ、スキーや日焼けを楽しむ」という記述があり、私は実態は見たことはないけれど、「そういうものなのだ」と信じていました。でもこれは一部の人の行為に過ぎないのでしょうか?

中央統計局(SSB)は毎年、ノルウェー人の休暇に関する統計をまとめています。その際、「休暇」の定義とは「4日以上家から離れ、どこかに宿泊すること」だそうです。
そしてポースケ休暇についての統計ですが、1992年から2006年の間、ポースケ休暇を取得したノルウェー人は、2割以下。休暇組は山に行ったり、海に行ったり、南ヨーロッパに行ったり、という内容だそうです。つまりただ家にいただけの人はカウントされません。意外と出かけている人は少ない!というのが実感ですね。

記事では、山で休暇を過ごす歴史的な発展についても触れられています。
本格的に山で休暇を過ごすことが、ロマン主義的な関心事となったのは、ノルウェー独立の年である1905年頃。当時、探検家たちによる北極横断が大きな話題となりました。また1924年に開催された冬季オリンピック(フランスのシャモニー)で、スキー競技が国民の注目を集めたそうです。
しかしながら、一般庶民が車を運転して山に出かけたり、セカンドハウスを持てるようになったのは1960年代になってからのこと。それ以降、金銭的に余裕ができた国民が余暇を過ごすためのヒュッタを手に入れ、道路も良くなり、ポースケに山へ出かける、という人が増えたそうです。

ポースケ=山でスキーというイメージ作りは、テレビ・ラジオ局のNRK(ノルウェー国営放送)の影響がありました。毎年、山の様子を放送するラジオやテレビ番組のおかげです。
日本でも年末やGWになると、お決まりのように空港や駅の様子をTVで流すのと同じでしょうか。もはや「様式美」の世界です。

1990年代に入って、ポースケ休暇にスキーやヒュッタで過ごすスタイルの人気が下降しました。前出のヤコブセン氏は、その理由として、街でポースケを過ごす場合でもいろいろなイベントやサービスが増えたこと、またオスロ周辺では雪が少なくなり、スキーに適さないことを挙げています。
「今ではポースケに家にいることは、恥ずかしくなくなった」そうです。
選択肢があるって、いい時代ですね。

ゲレンデスキーもやってます

2008年2月7日(木)
パパはちょっぴりご高齢


Aftenposten紙に、年齢が上のパパを特集した記事があり興味深く読みました(2008年2月4日)。

同紙によると、パパの年齢が一番上なのはオスロなのだそうです。

そうした家族の例として、年金生活者であるパパ(66歳)、ママ(46歳)、娘(10歳)、息子(8歳)の例が載っていました。
この男性は、既婚歴があり、前の結婚でできた子どもはすでに39歳と38歳。現在の結婚でできた子どもより、孫の年齢の方が上という「逆転現象」が起きてしまったそうです。
「最初に子どもができた時はまだ27歳で、仕事とか他のことに気をとられ、子どもの面倒をちゃんとみてあげることができなかったよ。だからこんな高齢になってから、また子どもができて嬉しい」と語る彼は、年金生活者という立場をフルに活用し、学校へ子どもの送り迎えなど、奥さんに代わってやっているとか。

オスロだけの数字を見ると、20年前に比べ、50歳以上の男性に子どもができる割合は4倍も増加したそうです。当然ですが、こうした男性のお相手は、自分よりかなり年下の女性ということになりますね。専門家は冷静に、「高齢の男性は若い女性に魅了され、恋に落ちます。そして女性たちは子どもを欲しがるので、現在のような傾向になっているでしょう」と分析。またこうした「年齢が上のパパ」の条件として、しばしば「高学歴・高収入」を挙げています。
何かいろんな意味で、納得できる循環ですね。

さて前出の家族ですが、パパさんは少し心配しています。「(自分の年齢が他の父親より上だということに対して)子どもにとって特にいいことはないだろうね。いじめなんかもあるんじゃないかな。私が学校に通っていた頃、”お前の父ちゃん、年寄り!”といったからかい文句があったからね」。
一方、10歳と8歳の子どもたちはパパさんが考えているほど、父親の年齢には拘泥していない様子です。娘は自分の父親についてこう語ります。
「パパはかっこよくない。でも親切だよ。パパはね、長い時間をかけてパンケーキを作ってくれるのよ」。
いろんな形の家族があっていいんだ、と思える記事でした。


こちらは若いカップル

2008年1月10日(木)
世界でたったひとつの・・・(ニュース番外編)


最近、「最近の話題」ではなく私の「身辺雑記」になりつつある本コーナー。

今回も、「私の身辺雑記」になってしまいます。次回はニュースをUPするのでご容赦下さいませ(いつ?とは聞かないで下さい・・・)

それは昨日のこと。夢ネットのリンクやサロンでお世話になっているToreさんから、郵便物が届いていました。「何かな〜?」と封筒を開けてみると、ノルウェーのスーパーでお馴染みの食材(Kvikk Lunsj, Kaviar, brunost, Leverposteiなどなど)がプリントされたエコバックが入っていたのです。
同封のお手紙によると、無地のエコバックにこれら食材の写真をアイロンプリントされたお手製のものとか・・・。そう、まさしく「世界でたったひとつのノルウェー・エコバック」なのです!

昨年、ノーベル平和賞を受賞したゴアさんやIPCCは「地球の温暖化」に取り組んでいる方々が選ばれました。そういう意味でも、Toreさんのエコバックは「ノルウェー的」といえるものでしょう♪


ただ問題は、このエコバックがとてもキュートで家のしょぼい近所では使う気持ちになれないことでしょうか・・・。そう、「もったいない!」のです。
もうちょっとおしゃれな場所に買い物に行った際に使う「ハレの日用エコバック」にしたいと思っています。
そのうち、伊勢丹あたりの敏腕バイヤーから「仕入れたいのですが・・・」と申し出があり、「おしゃれ北欧雑貨」として売り出される日も遠くはないでしょう(願望法)。

ToreさんのブログAndré Bergdølmo選手を応援するサイト「フィヨルドの狼」はこちらからどうぞ。


あまりにノルウェー的なエコバックです

2007年12月18日(火)
とある文学賞贈呈式&祝賀会に参加して。雑感です (ニュース番外編)


先生も走る師走。
生まれて初めて、過日、ある文学賞の贈呈式および祝賀会に出席しました。日本の文学賞で、場所は都内です。
いろいろと感慨深い点・どうでもいい瑣末な点などあったので、つづってみたいと思います。

まずは贈呈式から。着席だったのですが、会場内の雰囲気は、どちらかというと高齢男性が多く、地味な感じがしました。女性もどちらかというと、真面目な雰囲気で学生時代の偏差値はきっと高かったんだろうな〜と想像できる人が多く、誰も肩が出ているようなドレスなんか着ていません。「文学賞のパーティってお堅い感じなのね」と納得しつつ、祝賀会へ移動したところ。。。

祝賀会の会場に移ると、先ほどまでのグレーで加齢な雰囲気が、何か華やいだものに変わっていました。
まず、和装で妙齢のご婦人方。髪の毛には一筋の乱れもありません。そして和装マダムと一緒にいる肩だし&背中開きのドレスを着た若い女性たち。メイクやヘア、ネイルもばっちりで、いわゆる「玄人さん」の雰囲気です。
最初はパーティコンパニオンの人かな〜と思ったのですが、男性二人組の会話(「あれって仕出しかな?」「違うよ、銀座の・・・」)をふと耳にし、そっか〜、いわゆる「文壇バー」のホステスさんたちなのね、と納得した次第です。
私のような者には無縁な「夜の世界」を垣間見れた瞬間で、感慨深かったです(それまではテレビのドキュメント番組でしか知りませんでした)。女子の生き方は服装という記号で、分かりやすいですね。
そして彼女たちに囲まれた殿方たちは、例外なく嬉しそうでした。内田裕也似のおじさまと篠山紀信似のおじさまが特に、「せんせい〜」とちやほやされてました。きっと著名な作家なのでしょう(誰だったのか非常に気になります!)。

また彼女たちの姿を見て、10月に訪れたオスロの「文学の家」を思い出しました。
あちらのオープニングパーティは、酒量こそは多かったですが、誰もこんなに気合が入った服装&メイクで臨んだ女性はいませんでした。
ノルウェーには、作家が集まるカフェとか(イプセンの時代ならばGrand Cafeですね)はあっても、ホステスさんが相手をしてくれる「文壇バー」などはもちろんないだろうな〜と考えを巡らしました。
日本に独特な文化なのでしょうか?ナゾは尽きません。。。

すみません。話がこっち方面ばかりになってしまいました。
見事、受賞をされた作家の方と奥様と初めて会い、ご挨拶できました。今まではメールや書簡でのみコンタクトしていなかったので、感激もひとしおです。いろいろとお話を伺いたかったのですが、立食のパーティでしたので、短い会話でしたが、丁寧に対応していただき嬉しい気持ちで会場を後にしました。

最後に、またまた話が戻りますが。
帰りにクロークでコートを受け取る際、ホステスさんたちと一緒になりました。お客さんが近くにいないせいでしょうか、リアルな声で「腰、いた〜い」というつぶやきを聞くことができました。寒い中、薄着&ピンヒールで大変ですよね。やっぱり楽に稼げる仕事なんかないのかな〜と、またまた女子の生き方に思いを馳せて、帰路につきました。


背中に気合が・・・
2007年10月24日(水)
内閣で一番の貴公子@ノルウェー大使館

最近、いろいろなことで叩かれすぎてヨレヨレになってしまったストルテンバルグ首相に比べ、常に「貴公子」然としているストーレ外相が、現在来日中です。

戦地で甚大な被害をもたらすクラスター爆弾の禁止を求めてワールドワイドに活躍する外相のインタビューを見たのはいつだったでしょうか・・・。そのとき、私のハートに火がつきました!それ以来、注意深く外相の記事や写真を見ては、にやつき、すっかり韓流スターにはまったおばさんと同じになってました(違うのは仲間がいないことでしょうか・・・)。

オスロでは当然、外相とも道ですれ違うこともなく帰国したのですが、嬉しいことにノルウェー大使公邸で開催される外相の歓迎レセプションに行かれることになったのです♪
プライベートでどこまでもイケていない私を、きっと神さまは哀れに思い、招待状を下さったのに違いない・・・。
そして今夜。何年かぶりにスカートをはいて、いざ出陣!「外相に一言、挨拶できたらいいな」と思いつつ会場に到着したところ・・・。

入り口付近は、すでに外相に挨拶しようとすごい人の行列です。
しかも、何だか偉い感じの方ばかり・・・。自分の「小物ぶり」を誰よりも痛感している私には、とても列に並ぶことさえ、ためらわれる雰囲気でした。「場違い」という言葉すら浮かんできます。
ざっと会場を見回してみると、圧倒的に男性が多く、女性は少なかったですね。
憧れの人を近くにしながら、そこには「見えない壁」がありました。

挨拶行脚も半ば、外相の挨拶があり、一気に立食パーティがスタートしました。
とりあえず、サーモンのお寿司などを食べつつ、知人と話しつつ、目はランランと獲物=外相を追っていました。椅子に座って食事をしていると、前に外相が近づいてきました。これはチャンス!と喜んだところ、襟元にバッチをつけた軍団がどんどん外相に近づいてきます。
何だか大きなバッチだな〜って、国会議員のバッチでした。名前は知らない女性の国会議員は、なんと外相とツーショットで写真を撮ってもらってます!「ぐやぢい〜〜〜!!」と、有権者は心の中で泣きました。来世では徳をつんで国会議員になりたいものです。

ところでバッチ。
会場には、国会議員だけではなく、有象無象のバッチをつけている人がいました。私は何のバッチも有していないので、今度、自分でそれらしく見えるバッチを作ってみようか考えたほどです。そうしたら、もっと早く挨拶できたかもしれません。

途中で、芸大生たちによるミニコンサートをはさみ、ようやく外相と挨拶することができました。「あなたの業績に感動しています」ともっともらしいことを言った後に、ミーハー魂本領で、「あなたのファンです」と告白したら、とても素敵な笑顔を返してくれました・・・。そこでもっと会話を弾ませようとしたら、明らかに大物っぽい男性が名刺を持って割り込んできたので、タイムアウト。ものの15秒だったでしょうか。

目標を達成できた私はすっかり気が抜けて会場を後にしました。
外相はたった2日間だけの滞在だそうです。
いろいろな国で、私のようなミーハーなファンに会うこともあるのでしょうか。
今度は首相になって、来日して下さいね☆

あこがれのひと・・・
2007年10月17日(水)
後日談@「文学の家」

さて前回レポートした「文学の家」オープニングパーティ。
その後の様子が、ノルウェーの新聞Dagbladet紙に掲載されていたので、ちょっとご紹介してみましょう。

オープニングパーティの時からすごい数の人が集まっていましたが、その勢いは衰えていないようで、10月5日〜11日までに同館を訪れた人の数は、実に27000人!オスロの人口は、50万人だということを考えると、この新しい施設が早くも成功を収めつつあることが分かりますね。

また12月までのプログラムが公表されていますが、こちらも大勢の観客を惹きつけています。
例えば、現代ノルウェーを代表する劇作家Jon Fosse(ヨン・フォッセ)についての批評家たちの集いでは、100人もの観客が入場できませんでした。

さらに、ノルウェー以外からの作家も早くも「文学の家」に参加しています。
例えば、イギリスの作家Zadie Smith(ゼイディー・スミス)と、アメリカで活躍するノルウェーのフェミニストToril Moi(トリル・モイ)の対談では、同館の外まで600人の行列ができ、そのうちついていなかった200人が入れなかったそうです。やれやれ・・・。

いずれにしても、「文学の家」がノルウェー文学の枠にこだわらず、国やジャンルを超え、ユニークな複合文化施設になりつつあることは、明らかでしょう。
これからも、「文学の家」の動きに注目したいと思います。

ホームページ:Litteraturhuset

作家たちの壁画・・・誰が誰か分かります?
2007年10月12日(金)
「文学の家」オープニング・パーティ@オスロ

オスロの王宮の近くに、新しく「文学の家」Litteraturhusetが誕生しました。元々は、教員養成学校だったところを、流行のリノベーションで生まれ変わったのです。

ちょうどオスロ訪問とオープニングパーティが重なったので、野次馬気分で10月5日、行ってまいりました!

パーティは夜の7時からだったのですが、地下1階地上4階建ての建物を目指し、入り口がすごい人でごった返しています。「こんなにオスロに人っていたんだ〜」と感慨もひとしお、なぜすんなりエントリーできないかというと、受付のお兄ちゃんたちが、長い招待客リストと本人の確認に手間取っていたからなのです。
私もひとしきり待って、ようやく自分の順番になって名前を告げようとしたその瞬間、「君は申し込んだよね?」と聞かれて、「Ja」と答えると、「じゃ、どうぞ」とリストとの照らし合わせ作業を断念し、私の後に並んでいた人たちも一気に、どどどと流れ込みました。
途中までは頑張ったけど、その後の「セ・ラ・ヴィ」行為にノルウェー人魂を見た思いです。

さて、ようやく入れた「文学の家」。
ともかく人・人・人・・・・。とりあえず地下のクロークにコートをかけ、併設の本屋さんを覗いてみることにしました。
新しい本屋さんは、ノルウェー文学はもちろん、世界の地域別にノルウェー語に翻訳されたものをセレクトして置かれていました。アジアのところには、中国の作品以外にも日本から、Haruki Murakamiの本が数冊並んでいました。

本屋を観察した後は、1階に上がってみました。そこには、Kafé Osloというスペースが広がっていました(でも大量の人で、床も見えないほど・・・)。いただいたプログラムによると、ここではバーとレストラン、ランチとディナーが用意され、また時折、作家自身が料理を作り、お客さんにふるまうこともあるそうです!(誰の料理がおいしそう?)
無料のビールが並んでいましたが、すごい勢いでなくなっていくので、「生存競争」という言葉を久しぶりに体感しました。

2階や3階には、セミナールームや作家協会・ペンクラブなど諸団体のスペースが確保されていました。
また、可愛かったのは「こどもの部屋」。カラフルなソファーがたくさん並べられ、映像が見られるようになっています。
最上階の4階は、不思議な空間でした。小さく仕切られたスペースには、机と椅子とスタンド、パソコン用の電源が置かれています。係員の人に用途を尋ねたところ、作家やライターたちがやって来て、書くことができるスペースにしたそうです。

パーティといえば、kjendis(セレブ)。何人か有名人を見ました。
まず文化大臣。写真で見るより、フェロモンが出ている人でした(男性)。
お次は館長のAslak Sira Myhre(アスラック・シーラ・ミーレ)氏。彼は以前、RVという極左政党の党首でした。そういう経歴の人が、今回の人事登用につながったのがユニークですよね。
必殺の挨拶言葉「東京から、このパーティに出るためにやって来ました」(ウソ)を述べて、写真を撮らせていただきました。

また以前、サロンで「ノルウェーの山村美紗」と紹介したミステリー作家、Unni Lindell(ウンニ・リンデル)さんにもご挨拶しました。思いのほか親切な方で、2階か3階の部屋の壁画(35人のノルウェー人作家が描かれている)の前に連れて行ってくれました。彼女もその壁画に選ばれた一人なので、嬉しそうです。
ちょうど近くにいた壁画を描いたSteffen Kverneland(ステッフェン・クヴァルネラン)を紹介してくれ、私は彼に「どの作家が一番描くのが難しかった?」と尋ねると、「それは言えないね」とかわされました。私見では、Kjell Askildsen(ヒェル・アスキルセン)が大変そうに見えました(あまりに皺が多いからです)。

当日は一応、いろいろなプログラムが用意され、Tove Nilsen(トーヴェ・ニルセン)の朗読や、de LillosのボーカリストLars Lillo Stenberg(ラーシュ・リロ・ステンバルグ)の歌(「Stakkars Oslo」可哀相なオスロ)を聴けるなど、本当に幸せな瞬間でした。
パーティは夜中の12時まででしたが、バスで帰宅せねばならない私は途中退席しました。
帰るために、外に出ると「ソフィーの世界」のヨステン・ゴルデルがいました。彼の仕事をしたことがあったので、一応ご挨拶できたので、こちらもラッキーでしたね。

「文学の家」では、これから沢山の文学に関わるプログラムを用意しています。
皆さんの中でご興味がある方、カフェだけでも覗いて見たい方はぜひお立ち寄り下さいませ。
また11月10日のサロン「オスロ旅行報告会」でも、より詳しくレポートいたします。どうぞお楽しみに!

ホームページ:Litteraturhuset


「文学の家」外観
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