人々の生活


●名字にひそむ流行り廃り


ノルウェーでは、ファーストネームで呼び合うのがごく当たり前なので、何年付き合っていても、「あの人の名字なんだったっけ?」ということ珍しくありません。ちなみに私は、クリスマスカードを送る際、封筒に宛名書きをしながら、「あ〜、こんな名字だったんだ」と、毎年のように感心しています(1年に1回のことなので、学習できてません....)。

と、こんな事情であまり脚光をあびることなく、静かにただずんでいた「ノルウェー人の名字」
しかし、ノルウェー国語審議会が発行している「言語ニュース Språk nytt」(2001/3号)のある記事を目にして、ノルウェー人の名字にも流行り廃りがあることを知りました!今回参照するのは、Olav Veka(オーラフ ヴェーカ)さんが書かれた「Bondevik-typisk norsk」(ボンネヴィーク−典型的なノルウェー人)という題の記事です。

ノルウェー人の名字は、大きく2つのタイプに分かれます。
1つは、タイトルにもなっているボンネヴィーク(Bondevik:現ノルウェー首相の名字)のような、農園の名前から取られたもの。ちなみにBondevikという名前は、西ノルウェーSogn(ソグン)の農園Bondevikが発祥(bondeは「農民」を意味します)とのことです。
このカテゴリーには、Aasen(オーセン)、Kielland(ヒェッラン)、Røkke(ルッケ)なども含まれます。
もう1つは、デンマークの童話作家アンデルセンがお馴染みの「−sen」という名字。これは、誰々の息子を意味する名字で、父系の名字と呼ばれます。

2つのタイプの名字のうち、人気があるのは最初のタイプ。他のヨーロッパ諸国にはない傾向だそうです。
人気の理由は、「ステータス感が高い」とのこと。ですが、外国人には一見して、どんな名字がハイソなのかわかりにくいですね〜。日本でいうところの「綾小路」とか、「有栖川」みたいなノリとは違うようだし...。
逆に、北欧らしい印象のHansen(ハンセン)、Olsen(オルセン)は、統計調査によって減少していることがわかりました。
こうした名字の人が結婚した際に、もし配偶者の名字が農園系だったら、そちらの名字に変えてしまう例が、以下の通り↓。
男)Ola Hansen (オーラ ハンセン :父系)
女)Liv Tveit (リーヴ トゥヴァイト :農園系)
→ Ola Tveit (「Hansenを捨てた僕、今はハイソっぽいでしょ?」と言っているに違いない...)

さて、お隣のデンマークとスウェーデンはどんなもんでしょう?
デンマークは、「ロウアー」系(?)の父系名字が、今でも人気。Jensen(イェンセン)、Nielsen(ニールセン)、Hansen(ハンセン)、この3つの名字だけで、90万人分を占めているそうです!(デンマークの人口は約500万)
こうした-senの名字は、国民全体の7割ということで、石を投げれば、「○○セン」に当たる勘定ですね!

スウェーデンもデンマーク同様、父系の名字が一般的。Johansen(ヨハンセン)、Andersson(アンネソン)、Karlsson(カールソン)などの名字が多いです。と同時に、Lindberg(リンドバーグ)、Lindström(リンドストロム)などの凝った名字も、上位にランクされています。

あまり気にしなかったノルウェー人の名字ですが、これからは「ハイソな名字でステキ!」などとヨイショしてあげるのも、一興かもしれません。

(更新日:2002年6月29日)

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●秋(冬?)深し、隣は何をする人ぞ−ノルウェー編


もうすぐ11月
いいですね、秋って食べ物はおいしいし、気候も穏やかだし。と、まったり縁側で、お茶でもすすっている日本の皆さん!
世の中には、「11月が一番、ユーウツ」と言う人たちが、たくさんいる国だってあるんです(もう、おわかりですね?)。
あらためて、「ノルウェーの11月とは、いかなる月か」を、考えてみましょう。

ノルウェーの11月(november)は、日照時間がどんどん短くなり、「あ〜、これから長い冬の到来なのね」という気持ちにさせてくれる月です。朝になっても、夜のように外は暗く、「夏には、あんなに明るかったのにー!なんで、こんなに極端なんだー!」と、二度寝したくなる衝動に駆られます。
アフテンポステン紙2002年10月27日には、この「暗い季節」について取り上げています。

オスロ大学で哲学を専攻する大学院生、オイステン・スカール君は、現在、カントの「純粋理性批判」(1781)をノルウェー語に翻訳中。暗い季節は、深い哲学的な思考に没頭できると指摘します。
「カントを読むことは、睡眠薬を飲むのと同じくらい、いいことだよ」(要するに、熟睡できるということでしょうか??)

確かに、暗い冬はぐーーーーすり眠れるいい季節です(旅コーナー「夏季睡眠障害注意報」でも、触れました)。
「こんなに眠れ過ぎちゃって、いいのかいな?」と、つい自分が「怠け病」になったと疑いたくなるほど...。
国立病院の精神科、ウルリーク・F.マルトゥ教授によると、「この季節に眠くなるのは、ごくごく自然なことです。気分が重くなるのも、当然で、うつ病になる人もいます」とのこと。その理由については、
「光は、中枢神経に影響を及ぼします。つまり、光はエネルギーを与えてくれるのですね。光から受ける刺激が、脳に少なくなると、エネルギーも少なく感じられます。でも、人は暗い季節に慣れていきますから、11月中旬から、こうした問題は減っていきます」。
この言葉を読んで、昔、理科で習った「暗反応」(?)を思い出しました(暗い場所に行くと、最初は真っ暗に感じるけど、徐々に目が暗さになれて、周りが見えてくるという現象。違いましたっけ?)。全然、関係ない?理系バカ丸だしで恐縮です。

同じくオスロにあるウッレヴォール大学病院の精神科医、アンドレス・マグヌッソンさんはアイスランド人。彼は、アイスランド人の得意分野(?)「冬のうつ」(vinterdepresjon)について、説明してくれます。
「冬のうつとは、うつ病における一つのカテゴリーで、真冬が一番、つらい時です。冬のうつにかかった人たちは、よく眠り、甘いものをよく食べ、眠気と疲労感を感じます。通常のうつ病患者たちは、不眠と拒食に苦しみ、一番辛い季節は、春であることが多いのですが」。
う〜ん、そういえばノルウェーの冬の間、異常なまでにチョコレートを食べて、よく寝てたな、と思い当たる筆者。しかし、夏になっても、チョコはたくさん食べてたか...。要するに「チョコ中」

北ノルウェーのカウトケイノ(Kautokeino)に住んでいるスンニーヴァ・ユールスさんは、また違った「暗い季節」観を披露してくれます。
「私は、この季節が好き。空は、黒ではなく、ダークブルーになり、壮大で白い冬の到来です。ここフィンマルク地方では、ただ美しい季節と言えますね。私のように地方で暮らす人間は、孤独をポジティブにとらえます。
最も美しい時期は、まだ太陽が戻ってこない1月。地平線や空が、とても美しい色に染まる頃です」。
北ノルウェーの冬に満足している彼女ですが、南に引っ越したいとは思わないとか。
「11月にオスロにいることは、とても憂鬱でしょうね。フィンマルクは、極端な気候と極端な自然が存在する極端な場所(名言!)。ここが嫌になった人は、とっくに引っ越してます」。
31歳ながら、達観されてますね。

さて同じ紙面上には、「いかに暗い季節を明るく過ごすか」に関して、有益なアドバイス(?)が載っていますので、ご紹介しましょう。
  • 教会に行ってみましょう。
  • モスクに行ってみましょう−いつでも開いてます。
  • 地図を買って、自分は別の離れた場所にいると想像してみましょう。
  • ベリーダンスを習ってみましょう。
  • 野菜をたくさん買って、ゆっくりと切るプロセスを楽しみましょう (←余計、イライラしないだろうか?)。
  • 詩を書きましょう (←朗読会に呼ばれたら、コワイぞ)
  • もう眠くなったと観念し、早めにベッドに行きましょう。
  • 夫にキスしてみましょう (←もっとウツになりそう?)
  • 妻にキスしてみましょう (同上)
どうでしょう?お役に立ちましたでしょうか?(←「立ってなーい!」の声、続出?)

(更新日:2002年10月27日)

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ノルウェー・ビレッジの外観
日本で見つけたノルウェー生活!

●白馬で買える「ノルウェーセーター」


今回は管理人Yokoからのご紹介です。
ちょっと前の話ですが、3月に雪の残る長野県白馬村に出かけました。白馬と言えば、記憶に残るのが1998年の冬に開催された「長野オリンピック」ですが、実はここに2つの小さなノルウェーがあるのです。

1つ目は「ノルウェー・ビレッジ」。オリンピックの時にスキージャンプ台のとなりに作られたノルウェー選手団のゲストハウスで、現在は白馬オリンピック記念館や観光協会として使われています。(ビレッジと呼ぶには期待はずれ(?)の小規模な建物群でした・・・)何かのついででも無い限り(私はスキーのついででした)、わざわざ、お出掛けになるところでもないかと思いますが、ノルウェーの建物の雰囲気を味わいたい方、もしくは大きなトロール(原寸大??)に出会いたい方はどうぞ。
ノルウェー・ビレッジ内の様子
2つ目は表題のノルウェーセーターのお店で「北欧倶楽部」。北欧という名がついている場合、スウェーデンか、フィンランド辺りを示していることが多い中、このお店で扱っているのは純「ノルウェー産」しかも直輸入。これはマニアにはお出掛けの価値ありですね。場所は白馬エコーランド内です。店内にはNordstrikk社のセーターがずらりと並び、トロール人形などのお土産品もたくさんあって、一瞬ノルウェーでお買い物をしている気分になります。(事実、私はノルウェーで買い損ねたと後悔していたお土産品を購入しちゃいました!)「わざわざ日本で、高い関税のかかったノルウェーの商品を買うこともないわ!」というご意見もあろうかと思いますが、ノルウェーまで出かける交通費を考えたら割高感は吹っ飛びます。ノルウェーセーターの商品の良さは私が実体験を持って保証出来ますよ。とにかく暖かくてデザインもGood。ノルウェーの冬を越すには生活必需品ですし、日本でも自称ノルウェー通には必須アイテムですね。お店の外観お店のホームページを見たら電話注文、コレクト便での販売も扱っているようなので、プレゼントにもいいかもしれません。



お店の詳細を知りたい方はこちらへお問い合わせください。http://hokuo-club.com/






お店の様子

(更新日:2003年5月8日)

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日本で見つけたノルウェー生活!その2

●草津で楽しむ「歩くスキー」


気がつけば数年ぶりの更新のこのコーナー。今回もまたYoko@管理人から体験談をご紹介します。

先日、個人的に群馬県の草津温泉に行って来ました。今回ご紹介したいのは日本屈指の名湯!ではなくてノルウェー生活を語る上で絶対にはずせないクロスカントリースキー(langrennski)です。
草津温泉スキー場と言えば、普通はいわゆるアルペンスキー(slalåmski)やスノーボード(snøbrett)を楽しことが多く、今回の私もまずはリフトとゴンドラを乗り継ぎスキー場最高峰まで登り、壮大な風景(写真右上)を横目にスキー滑走。でも本来の目的は山のふもとにある草津音楽の森クロスカントリースキーコースで開催された「草津温泉ノルディックスキーフェスティバル2006」への初参加でした。
このフェスティバル、ノルウェーでも有名なあの荻原健司・次晴兄弟のプロデュースで今年で3回目。主催は草津町と東京新聞・中日スポーツ新聞ですが、後援者のトップには「ノルウェー王国大使館」の名前が・・・。不覚にも私はそのことをこの冬、ネットサーフィンをしていて初めて知ったのでした。

思えば、ノルウェーでski(シー)と言うとたいていはクロスカントリースキーのことで、アルペンスキーの方をわざわざslalåmski(スラロームシー)と伝える必要がありました。実際、私もノルウェーに在住していた時は、冬は裏山に入ってナイター設備の整ったコースでクロスカントリーを楽しんだものです。初日、3月4日の様子。晴れてよかった〜仕事の後、平日の夜でも山の中は賑わっていました。本格的な競技の練習をしている人、犬の散歩をしながら滑っている人、ソリに乗せたこどもを引いて滑っている人、散歩気分でゆっくり歩いている(でも私よりよっぽど速い)ご年配のご夫婦・・・・。
我が家にはノルウェーで購入した2セット(私と夫の分)のクロスカントリースキーとブーツ、ストック、ウェアが揃っていますが、日本に帰国後はウェアはクローゼットの肥やし、板は単なる飾り物となりつつありました。そこへ、今回のフェスティバルの情報が目に留まったのです。

このフェスティバルの特徴は、本格的な競技大会と同時に、私たちのような初級者でも気楽に参加できるスキーハイキングや、森の中をスノーシューで歩くエコウォーキングのコースが設定されていることです。当日は、学生、ファミリー、地元の子供たちなど、400名を超える人々が思い思いに集まっていました。老若男女が集まる大会なんてアルペンスキーの競技会では絶対に起こり得ない現象です!

初日に行われた荻原兄弟のスキー教室で、次晴さんもおっしゃっていましたが、「ノルディック」とはまさにノルウェーのこと。雪の中での生活のために発祥したスキーが、後にアルプスに伝わり急斜面を滑る必要性から「アルペン」に変化したそうです。
そう考えると、ノルウェーの人々に深く根付いたスキー文化にも納得がいきます。そこで夢ネット管理人の私から皆さまへひとこと、「ノルウェー人を知るにはスキーをはいてみよう!」

2日目はいよいよ競技会の日。
とは言っても、もちろん私が出場したのはスキーハイキングですが、3q、5q、8qのコースがある中、ノルウェーで20qほどの距離を歩いたことがある経験を根拠に、最長の8qを選択しました。

2日目3月5日の様子。スタートは一斉、ゴールはバラバラ。スタートの合図は健司さんの振り下ろすノルウェー国旗です。前列の方にはタイム計測用のタグを装着した本格的な選手たちが並びます。
ノルディック競技を生で見るのはノルウェー在住時以来6年ぶりくらいですが、いざ同じ雪面に立ってみると上級の皆さんの滑りには本当に感動させられました。まるで荒川静香のようななめらかで無駄のないスケーティング。その差はタイムにも現れていて、同じ8qのコースを優勝者はわずか25分、一方の私は1時間10分くらいかかってしまいました・・・。
うーん、奥が深いスポーツです。トリノオリンピックをTV観戦しながら、日本勢やノルウェー勢の不振に文句を言っていた自分がお恥ずかしい・・・・・。
アルペンスキーをやっていると、斜面をリフトでなく自分で登るなんて疲れるだけで馬鹿みたい!と思いがちですが、クロスカントリーにはまた違った魅力があります。苦しい思いをして登った分を滑走する時の爽快感♪開かれたゲレンデではなく静かな森の中で包まれるような自然との一体感♪そして8qを完走して「完走証」なんてものをいただいてしまうと、競技でもないのに得られてしまう達成感♪久しぶりに気持ちのいい汗をかくことができました。
おまけにここは日本。それも草津。ノルウェーでは絶対に味わえない「温泉」という特典付なんて最高です!

ノルウェーでもケンジは有名!ライバルはビークでした。ノルウェー夢ネット管理人の使命としてひたすら「ノルウェー国旗」の行方を追っていた私は、スタート前のちょっとした時間に、健司さんとお話しする機会がありました。実は、これで2度目。1度目は健司さんのまだ現役時代、オスロのおすし屋さんで偶然を装って出会った時で、その時も快く写真撮影に応じてくれたのを記憶しています。
私と夫がノルウェーの話をすると、私たちが使っているスキーを一目見て、「日本では手に入らないものですね。」とはさすが。更には今、健司さんが使っている板はノルウェー製Madshus)であることを教えて下さいました。現役のときは違ったそうですが。
(雪上では、健司さんが実は国会議員であることなんてすっかり忘れさせられていました!失礼があったかも?)

これまで、「クロスカントリースキーはノルウェーでなきゃダメ」と信じてきた私ですが、今回その思いは撤回されました。日本でも結構楽しめるものです!
フェスティバルには来年も是非、参加したいと考えていますので、ノルウェーファンの皆さま、ご一緒にいかがですか?

(ここで使った写真は事前に東京新聞・著作権課の許可を得て掲載しております)

(更新日:2006年3月9日)

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日本で見つけたノルウェー生活!その3

●都心でほんわか味わう「ドローバックのクリスマスハウス」
ショップは12月1日〜25日までの期間限定。

どうやらこのコーナーはYoko@管理人が乗っ取ってしまったようです・・・
しかも「日本で見つけたノルウェー生活!」シリーズばかりですみません〜(久しくノルウェーには出向いていないもので)

今回はどこに出掛けたかと言いますと表題の通り日本の中心地、東京都千代田区にある赤坂プリンスホテル。思えばバブルの絶頂期、クリスマスイヴの夜を赤プリで過ごすというのは、若いカップルたちの憧れの的でしたね〜。そんな私は正直、今回初めて赤プリに足を踏み入れました・・・・。お目当てはここ3年ほど恒例になっているらしい「北欧ノルウェーのクリスマス」企画。ホテル内のレストランではそれぞれに北欧のクリスマスメニューが用意されるほか、何と言っても私の気を惹いた一番の理由は新館ロビー内にオープンしていた「ドローバックのクリスマスハウスJulehuset i Drøbak)」です。
近年、北欧のクリスマスがブームになりつつある中、サンタの故郷にしてもフィンランドやデンマークに圧倒され立場の弱いノルウェー。このノルウェーに着目してしてくれた赤プリさんには夢ネット管理人としては感謝の気持ちでいっぱいでございます。という訳で使命感?に燃えて一見して参りました。
ドローバックはオスロ近郊の町の名前です。その様子をご覧になりたい方は私の個人HPのこちらでご紹介しています。フィンランドで有名なサンタクロース村ロヴァニエミがテーマパークの雰囲気であるのに比べると、ドローバックのクリスマスハウスはかわいい町の風景に溶け込んだ1軒の小さなお店といった感じでした。そして今回の赤プリ内のお店は小さなお店の更に一角を切り取って持ってきたよう。決して規模は大きくないのですが、所狭しと無数にディスプレイされたニッセ(サンタ)やお人形たちを眺めていると、ほんわかと幸せな気分になれました。特に嬉しかったのは店内にドローバックの象徴的な存在である「ニッセに注意!」の交通標識が立てられていたことですね。売り物だったら買いたいくらい。それと、店内だけではなく、ホテル内のあちらこちらにニッセたちが出没していたのも楽しかったです。その飾り方が正にノルウェー風でした。
 ホテル内各所に飾られたニッセたち。

オトナでも嬉しいニッセンからの贈り物すっかり気をよくして、自分へのプレゼントとして人形を二人も買ってしまった私は、既にドローバックの人形コレクターになりつつあります・・・・。
実は「ユーレニッセン郵便局からエアメールで届くクリスマスギフトボックス2006」という企画商品も、興味津々、インタネーットで購入してしまいました。本当にちゃんとドローバックの消印で届くのでお子様宛のサプライズプレゼントによさそうです。ただ、私としてはカードの文章が日本語と英語で、ノルウェー語がどこにもなかったのが残念でした。
赤プリさん、ノルウェーのクリスマス企画、是非今後とも続けてください。目指せサンタの故郷のイメージ奪取です!
できることならクリスマスだけではなく、年間を通してノルウェーの企画があると嬉しいのですが・・・・・。(これは無謀なお願いですね)

(更新日:2006年12月25日)

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日本で見つけたノルウェー生活!その4

●「2007年FISノルディックスキー世界選手権札幌大会」観戦記


恒例になってしまった「日本で見つけたノルウェー生活!」シリーズ第4弾は、先だって札幌で開催された「ノルディックスキー世界選手権」を取り上げさせていただきます。
この大会、実はアジア初の開催とあって、関係者の方々にとっては重大イベントだったはずです。しかし結果的に日本では、テレビの地上波放送はごくわずか、一般の人たちの間で語られることは少なく、チケット売り上げも予定の半分程度と地味に過ぎ去ってしまいました。
しかしながら国が変われば事情は違います。ノルウェーの新聞では大会開催中、連日トップの扱いで盛り上がっていたようです。それもそのはず、11日間の熱い戦いの末の獲得メダル数は、総合順位1位のノルウェーが16個と2位のフィンランド8個、3位のドイツ9個と比べても飛びぬけて多く、金メダル数についても大会前半はフィンランドに負けていたものの、最後に追いつき5個で並びました。開催国の日本といえば、唯一テレビ地上波放送があったジャンプラージヒル団体戦で獲得した(奇跡の)銅メダルが1個のみ。せっかくのノルウェーの特技を日本国民にアピールするチャンスだったのですが、盛り上がりに温度差があったのも仕方がないことなのかもしれません。
このような状況の中ではありましたが、夢ネット@管理人としてはこの機会を逃すわけにはいきません。というわけで、後半の1日だけではありますが、観戦(偵察)に行って参りましたのでご報告したいと思います。

   表彰式イベントの様子。

まずは私が到着した3月2日(金)の札幌駅前広場での表彰式。
この日に狙って行ったわけではなく、たまたまちょうどいい時間に通りがかったので会場を覘いてみたのですが・・・・。
写真でもおわかりかと思いますが、「ここはノルウェーか?」と錯覚するほど、その場にはたくさんのノルウェー国旗を持ったノルウェー人が集結していました。その日はちょうどクロスカントリー男子リレーでノルウェーが金メダルを獲得した日で、試合を見ていない私も一緒になって持参した特大ノルウェー国旗を振り、ノルウェー国歌に聴き入ってしまいました。また、直前に札幌に向かう電車で、隣の車両に乗り合わせたノルウェー人グループがメダリストたち本人だったことも判明して選手への親しみも倍増、競技を観戦できなかったことが悔やまれました。ノルウェー村の様子。

そして次の日、3月3日(土)の日中は白旗山競技場で女子クロスカントリー30km、夜は宮の森ジャンプ競技場でジャンプノーマルヒルを観戦しました。
白旗山では、ノルウェー人たちがテントを張って、大きな大会では名物の「ノルウェー村」が存在するという噂を頼りに、楽しみにしていたのですが、残念ながらその前日に撤退して帰国の途についてしまったようです。
しかしながら、現地で出会ったノルウェー好きな日本人ご夫妻に、その様子を教えていただくことができました。どうやらノルウェー村ではかなり本格的なノルウェー料理も振る舞われたようです。写真に写っているのは羊の肉(北海道産)のバーベキューに、定番のじゃがいものクレープ(Lomper)で巻いたスモークサーモンやサワークリームです。他にも干ダラを使ったトマト煮込みやマメ料理、ニシンの酢漬、チーズ、アクアヴィットやワインといったお酒まで用意されていたそうです。日本ではまずありつけないお料理の数々に感心してしまいました。
女子クロスカントリーの競技の方は、残念ながらノルウェーは最後の最後に逆転されて金を逃してしまいましたが、銀メダル、銅メダルはキープ。さすがです。応援していたノルウェー人たちも皆、惜しみない声援を送っていました。

その後、白幡山から宮の森に観戦場所を移動。こちらはさすがに日本でも人気の競技とあって多くの日本人が日の丸の国旗を持って訪れていました。ノルウェー国旗を持っていた私たち(既にノルウェー好きな日本人で団結していたので・・・・)にとっては、アウェイの気分でした。それでも競技が始まってしばらくすると、他の会場から移動してきたらしいノルウェー人が増えてきました。最後には、ノルウェー国旗を振り合うだけで意思疎通。もの珍しい日本人(私の連れはノルウェーのヴァイキング帽子をかぶっていました!)が気になったらしく、「なぜノルウェー?」と逆に質問されてしまいました。競技の方は、こちらも惜しくもノルウェー勢はメダルには届きませんでしたが、ワールドカップで活躍中の選手たちを生で観る楽しさは十分味わえました。(金メダルを取ったポーランドのマリッシュは別格でした!)
   女子クロスカントリー30kmとジャンプノーマルヒルの様子。 

私はノルウェー滞在中にもノルディックスキーのワールドカップを観戦した体験がありますが、今回、改めてスキーはノルウェー人の生活の一部なのだと実感しました。大会=お祭りのような感じでしょうか?自らの散歩代わりのスキーから、本格的な山スキー、アルペンスキー、そして競技の観戦と、彼らのスキーの楽しみ方はいろいろです。先週、たまたま東京で複数のノルウェー人に会う機会がありましたが、私が「札幌大会に応援に行ったんです。」と伝えると誰もが、とても嬉しそうに反応してくれました。一方、日本人の反応は「そんなのやってたんだ。」程度です。
熱い応援ぶりの北村系子さん。
ちなみに、今回、札幌で出会ったノルウェー好きの日本人ご夫妻ですが、テレマークスキー界で、すばらしい経歴をお持ちの北村系子さんと旦那様だということを、後になって知ることとなりました。どうりでノルウェーセーターを完璧に着こなし、ノルウェー人にとけ込んで応援をされていたはずです。北村さんはテレマークスキーの雑誌Soul Slide2007の中で、ノルウェーのフィヨルドを滑走された体験談をエッセイに綴られています。とても素敵な出会いに感謝しつつ、私の次なる目標はテレマークスキーデビューになりそうです・・・?

・北村系子さんのブログ:http://blog.livedoor.jp/qvitamla/
 フィヨルドスキーの素敵な写真がいっぱい:http://www.geocities.jp/qvitamla/tmcts.html

(更新日:2007年3月15日)

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日本で見つけたノルウェー生活!その5

●峰の原高原で楽しむ「テレマークスキー」

毎度Yoko@管理人がお届けする「日本で見つけたノルウェー生活!」シリーズ第5弾。
しかもまたまた冬のスポーツネタで、今回は第19回サロン特選インタビューでも取り上げた「テレマークスキー」の体験記です。
テレマークスキーはノルウェー発祥であるにも拘らず、ノルウェーに住んだことがある私も、これまで一度もやったことがありませんでした。稀にゲレンデでテレマークスキーヤー見かけると、踵を上げて軽々ターンをして滑走するその姿に密かに憧れの念をいだきながらも、あれは別世界のスキーだと思い込んでいました。そう、昨年のサロンでテレマークスキーインストラクター望月さんのお話を伺うまでは・・・
かくして私は、実は私以上にテレマークスキーに焦がれていたという夫とともに、望月センセイを訪ねてはるばる信州峰の原高原スキー場まで出かけることになったのです。そこは菅平高原の隣に位置する小規模なスキー場ですが、テレマークスキーヤーにとっては日本初の大会が開催された”聖地”のようなスキー場とのことです。

さて、スキー体験の前に必要なことが道具合わせです。今回はもちろんレンタルしたのですが、ブーツも板も初体験。長年スキーには慣れ親しんできましたが、今更ブーツのはき方から教わることになろうとは、なんとも不思議な感覚でした。望月先生いわく、昔は「革靴に細板」だったテレマークスキーの道具も、今はアルペン同様にプラスチックブーツに太いカービングスキーが主流になり、初心者でも扱いやすくなったとのこと。なるほど確かに、ブーツをはいた感覚はさほど違和感のはありませんでした。ただ、歩いてみるとまったく違い、つま先部分がやわらかく折れ曲がるようになっています。
次は板の履き方。これも1から教わって無事にクリア。流れ止めをブーツに留めるのが大きな違いでしょうか。
そしていよいよ滑走を教わることになったのですが、ここで知ったことは実は普通に「アルペンターン」が出来るということ。つまりは踵はまったく浮かさずにいつも通りに滑れてしまうのです。それを聞いて私たちは一安心。難しい急斜面やいざというときの回避はアルペンターンが使えるわけです。(しかし、最終的にはこの「アルペンターンが出来てしまう」ことがテレマークターンを覚える障害にもなることに気が付きました!)
立っているだけでも決まっている望月先生。
レッスンは2コマ、お昼を挟んで合計3時間をお願いしました。最初に望月先生が模範滑走をして下さったのですが、とにかくカッコいい♪これを正に水を得た魚と呼ぶのでしょう。東京のサロンでお会いした時よりも更に輝いておりました(笑)。
そんな望月先生に教わって、板に乗る基本から、ターンまでチャレンジしました。でもやっぱり見るのとやるのでは大違いですね。イメージはわかっても、上手く出来ないものは出来ません。それでも、多少でも踵を浮かせて真似事を出来るようになると楽しさも倍増です。普段は使わない太ももの筋肉がパンパンになりながら、レッスン後も練習を続けて、気付けばリフトが止まる時間になっていました。こんなに練習に夢中になったのは何年ぶりかしら?
いい加減疲れてくると、「でも、どうしてアルペンターンが出来るのに、わざわざこんな面倒なターンをしなくちゃいけないの?」そんな疑問がふと頭の中を過ぎります。結局のところ、本来テレマークスキーは、板を履いたまま山登りが出来るように踵が浮く仕掛けなわけです(昔の細い板ではアルペンターンは出来なかったそうです)。板の裏にシールと呼ばれる滑り止めをつければ、かなりの急斜面でも楽々と歩いて登っていけます。私はまだやったことはありませんが、ノルウェーのスキー場で見かけたことがあり羨ましく思ったものです。

望月先生のT.M.N.スキースクールでは山に登るスキーツアーも多数企画されています。私は本当のテレマークスキーの魅力はまだまだ知らないと言っていいでしょう。なんとも奥の深いスポーツだと実感しました。ツアー参加は次なる目標としたいと思います。
テレマークスキーは最近はノルウェーでも決して主流ではなく、数あるスポーツの1つのような存在です。それでも、ノルウェー人でテレマークスキーの存在を知らない人はまずいないでしょうし、自然に慣れ親しむためのツールのひとつとして、その国民性に深く根差したスポーツであることは間違いありません。

今回、未知だった楽しい世界を教えてくださった望月先生には、この場を借りて心より感謝申し上げます!
また、テレマークスキーをやっていてもノルウェーについては何もご存じない方が多いそうです。夢ネット管理人としましては、今後もノルウェー&テレマークスキーの普及に努めていきたいと思います。望月先生の東京でのサロン第2弾にも乞うご期待?

さて、私事ですが、これでアルペンスキー、クロスカントリースキー、テレマークスキーを体験しましたが、それぞれの魅力を捨て切れません。実は来月には、一昨年にも参加した草津温泉ノルディックスキーフェスティバルに再びエントリーしています。
なんだか裏山でスキーが楽しめたノルウェー生活が非常に恋しいこの頃です・・・・。

大自然を満喫

(更新日:2008年2月14日)

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日本で見つけたノルウェー生活!その6

●草津で楽しむ「走るスキー」初日、3月8日の様子。てっしーに厳しい指導をする次晴さん(右上)


先日、すっかり恒例?のイベント「草津温泉ノルディックスキーフェスティバル2008」に参加しました。
このイベントに参加するのは2度目。最初は一昨年で、その模様はこのコーナーでもご紹介させていただきました。
「前にも書いているし、今回は特にレポートを書く必要もないだろう。」と思って出かけたのですが、体験してみるとやっぱりお伝えしたくなりました!飽き飽きなさっている方にはすみません・・・。

まず、イベントの趣旨や内容は一昨年のレポートやイベントのホームページをご覧いただければと思います。荻原健司・次晴兄弟プロデュースで、今年は特別参加として”てっしー”こと勅使川原郁恵さん(スピードスケート・ショートトラック元五輪代表)が加わりました。メインはクロスカントリースキーですが、ネイチャーウォークなどスキーをやらない人のためのプログラムが用意されているのも一昨年と一緒。競技志向の人も、ファミリーも共に楽しめるところがこのイベントの最大の特徴と言えるでしょう。
私がエントリーしたのは初日のスキー教室と、2日目のチャレンジレース(ファミリーの部8q)でした。これも一昨年と一緒・・・・と思ったら、なんと今年はファミリーの部も含めて全員タグ計測!タイムを計られるとなると、その気はなくてもついつい頑張ってしまいます。という訳で、今回は「歩くスキー」ではなく「走るスキー」だったのです。

ところで、「ノルウェー夢ネット」の活動をしていると、ノルウェー人に会う機会が増えるのは当然ですが、今回、配布されたプログラムの中に見たことのある外国人名を見つけたときにはとても驚きました。そう、そこにあったのは昨年夢ネット主催のサロンで講師をしてくださり、当サイトのインタビューページでもご紹介したモーテンさんの名前だったのです。

2日目。3月9日は暖かな陽気になりました。2日目のチャレンジレースの前にモーテンさんに再会しました。レンタルしたスキーとストックが”短すぎる”と嘆く長身の彼ですが、レース前にアップしている姿は正に水を得た魚!(あれ?テレマークスキーの望月さんにも同じ表現を使いましたね。)とにかく、思わず見惚れるほどスケーティングが上手で、滑らかで速いんです。足も長く体系的にも日本人よりぐっと有利と思わます。改めて、世界的な大会でこんなノルウェー人たちを相手に王者に君臨した荻原健司さんは凄いと感じました。
一方モーテンさんを見ていると、彼が芸大に留学中のセレブな音楽家であるという事実をすっかり忘れそうです。聞けばこの冬、既にテレマークスキーを2度も楽しんだそうで、今後まだまだスキーに行く計画を立てているとのこと。改めてTypisk norsk(典型的なノルウェー人)の偉大さを知りました。ただ、モーテンさんの場合は「日本が大好き」という点で、日本での生活にストレスを感じている様子はまったくなく、Typisk japanskな部分も多々見受けられました。(温泉も大好きとのことです)
レース後に。国会議員さんと肩を組めるノルウェー人♪



最後に、チャレンジレースの結果ですが、いちばん高レベルな男子成年の部8qに出場して好成績が期待されたモーテンさんですが、結果は惜しくも11位。でも本格的な競技をやっているメンバーの中で35分台の記録はさすがです。本人曰く、来年は自分の道具を揃えてチューンナップも万全に、もっと上位を狙っていくそうなので、今から楽しみにしておきましょう。
私と言えば、同じ8qのコースを1時間ちょっとかかってしまいました。一昨年(自己計測)よりはちょっぴり良いタイムでしたが、モーテンさんには遠く及ばず。でも夫婦で参加したファミリーの部で、なぜか銀メダルをいただいてしまうという嬉しい誤算もありました。
いい汗をかいたレースの後は温泉に立ち寄りリフレッシュ。この時ばかりは「日本って最高〜」な気分になって、また来ようと心に誓う楽しい旅となりました。

(ここで使った写真は事前に東京新聞・著作権課の許可を得て掲載しております)

(更新日:2008年3月12日)

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●お外で過ごす夏♪

すみませ〜ん!ずっとこのコーナーを放置していました〜。
昨今の「断捨離」ブームからすれば、このコーナーごと削除した方がいいような気もしますが。
でもせっかく作ったコーナーなので、これからも生あたたかく見守ってくださいね。

ガーデンパーティーさてさて。この時期は日本では「梅雨」ですが、ノルウェーでは7月は立派な「夏」(sommer)。
人々は長い夏休みに突入します。
はっきり言って、ノルウェー人は「休むために働く」と言っても過言ではありません。
6月にノルウェー旅行中、いろいろなノルウェー人に「夏休みの予定は?」と尋ねると、みんな「4週間取って、ヒュッタ(セカンドハウス)で過ごすよ」とか「5週間取って、イタリアへ行くの」とか答えるのは当たり前。
一方、日本に帰って来て、生徒さんたちに「夏休みの予定は?」と尋ねると、「いや・・・、決まってないです」、「取れるかどうかも分かりません」というお答えばかり。
ホント、こうもノルウェー人と日本人は違うのか、とほとほと呆れるやら、羨ましいような。

いつまでも日が長いノルウェーの夏。
長くて暗い冬を経て、少しずつ日が伸びている感動は、言葉にできないほど美しく、そしてどこか儚い。
明るい夜は、人を外へ外へ、と誘う力があるようです。

ゴージャスなお外ソファーセット夏になるとムキになって職場へ早く行き、3時とかに仕事を終わらせる人もいます。
そして家に帰って、夕食は気持ちのいい庭やバルコニーで。
この季節、人のお家に呼ばれると大体、テーブルセッティングは外であることが多いですね。
ホームセンターを訪れると、「お前はアラブの王族か!」とツッコミたくなるような、ガーデン用のテーブル・
ソファーセットが鎮座して失笑をしてしまいます。

そうそう。
うちのマンションに来たノルウェー人はよく、バルコニーを見て、「なんで椅子を置かないの?」と聞きますね。そんなスペースないんですけど!

話をノルウェーに戻すと・・・。
光を浴びたディナーの席では、お酒に弱い私もついついワインやビールを飲みたくなります。
ノルウェー語には、「外で飲むビール」を意味する単語「utepils」がわざわざあるくらいなんですよ。
新鮮なシーフード、おいしいパン、そしてアルコールがあれば、みんなのテンションはUP!
しみじみ「ノルウェーの素晴らしい夏を体験できて良かったぁ」を体感できます。スーパーのバーベキューコーナー
何かまるで魔法がかかっているような気さえします。
たとえその代償がシミであっても・・・(涙)。

外で楽しむイベントとして、grill(バーベキュー)もあります。
夏になると、このバーベキューの道具や食材がスーパーにてんこ盛り。日本ではわざわざどこかに行ってバーベキューという感覚ですが、ノルウェー人は自宅の庭で気軽に楽しみます。
また、公園でもしている人がいますね。
そのために「使い捨てバーベキューセット」(engangsgrillet)が売っていて、日本人は「おお〜!!」と感動します。
そういえば6月のノルウェーツアーのお客様が、「王宮の庭でバーベキューしている人たちがいました!」と興奮気味に報告して下さいました。使い捨てバーベキューセット
日本でまさか皇居の敷地内でバーベキューなんかしちゃった日には・・・。はい、そもそも全てが無理ですね。

さあ。もう夏至祭(sankthans)は過ぎてしまいました。
今度は、逆に日が短くなることを意味します。
暗い冬があってこそ、明るい夏が強烈に輝きを放ちます。
ノルウェーの夏、この先何回体感できるか分かりませんが、一瞬一瞬を楽しみたいと思います。

(更新日:2012年7月9日)

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●大学のシステム〜今昔物語〜

自分のプロフィールを見ると、「うわ!」と驚くことがあります。
ノルウェーに留学していたのが、1995-96年と1999-2000年って、もうこれ随分と昔のことではないですか!これは年を取るわけですね〜(しみじみ)。

これだけ昔に留学していたので、私が留学していた当時と現在では、大学のシステムが大きく変わりました。まず、学士を取るための制度が変わりました。
私の頃は、こうでした。
Grunnfag(グルンファーグ)・・直訳すると「基礎科目」。1年間、まず基礎を学びます。
Mellomfag(メロンファーグ)・・直訳すると「中間の科目」。1〜2年間、更にその専攻を学び続けます。
Hovedfag(ホーヴェッドファーグ)・・直訳すると「メインの科目」。2年以上かけて、論文を書きます。
そしてHovedoppgaveという論文を書いて、それが認められると、人文系ではcan.mag(Candidatus magisterii)というMaster of artsに相当する学位がもらえたのです。
オスロ大学のこの校舎で勉強しました
問題は、このhovedoppgaveを書くために、何年も時間を費やす学生が存在していたこと。
ノルウェーでは学費は無料です。ですから、こうした学生の学費は「税金」で賄われます。
キャンパスにはびこる「永遠の学生」(evig student)は、大学にとって頭痛の種でした。

さて成績のシステムも現在とは異なっていました。
1.0が最高で、そこから1.1、1.2・・・・・と0.1刻みという細かい成績が与えられていました。
最低は6.0です。4.0以下は落第です。
まるで「視力検査みたい!」と私は留学中、この珍妙な成績に驚いていました。
1点台はかなり成績が良く、なかなかもらえません。
あと人文系では、1.0はいまだかつて与えられたことがないという「伝説」がまことしやかに語られていましたっけ。私は2点台の成績をもらって喜んでいました。

留学中にできた図書館・オスロ美大の女の子で、2003年にノルウェーの大学は大きく変わります。
まず、学士の名称が「bachelorgrad」と国際水準にあわせるようなものに変わりました。
これは3年間の勉強、180単位で得られます。〜fagというノルウェー語の響きは消えました。
さらに成績システムは、ECTS-system (European Credit Transfer System) が導入されます。
あの「視力検査的成績」は、A、B、C、D、E、Fと6段階に変化します。60段階から相当、スリム化されました。ちなみにFだと落第です。

成績がスリム化された当時、オスロ大学の知り合いの先生はこんな話をしてくれました。
学生たちは、今までの細かい成績に慣れていたので、真ん中の「C」でも「低い」と感じ、泣きながら先生のもとに抗議へ訪れたそうです。
ということで過渡期にはいろいろあったと思いますが、今ではすっかり定着しているようですね。

年よりは何でも昔を恋しがる、と言いますが、私も昔のノルウェーの成績システムや学士の名称の方が「いいなぁ〜」と思っていしまいます。
60段階の成績なんて、ノルウェー人っぽいじゃないですか!
似たような公用語2つを統一できず、「選択の自由」という名のもと、決着をつけないところと似ています。
「この学生はそうね〜。試験の内容はイマイチだけど、頑張って出席してくれたから2.9にしておきましょうか。3.0だと可哀想だし。」みたいな試験官のやり取りが以前は、あったと思ったんですよ。
でも今では「B」と「C」では大きな違いです。こんな非情な決断をノルウェー人にさせていいんですか〜!

トロンハイム工科大学の卒業セレモニーあと何年もかかって「hovedoppgave」の論文を書いている学生っていいんじゃないですか〜。
何しているの?と聞くと「論文書いているんだ」って何年も答え続ける学生。
「永遠の学生」がいることは、その国のゆとり指数が高いことを意味しているのでは?ってノルウェーで税金を払っていない私は無責任に思ってしまいます。

いずれにしても、私は「視力検査的成績」をノルウェーから頂けて、大事に思っています。
もう二度と元には戻らないでしょうから・・・。

(更新日:2012年10月18日)

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