最近の話題
ジャンルを問わず、ノルウェーの新聞などから、
面白い・興味深いニュースを紹介するページです。
この度、日記風にリニューアルしました。
ちょっと昔の「最近の話題」はこちらからお楽しみください♪

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2011年6月30日(木)
夏休み!

明日から7月。
ノルウェー人に仕事を頼もうとしても無駄ですよ。長~い長~い夏休みに突入です。この間、旅先で会ったノルウェー人たちに夏休みの予定を聞くと、「5週間取るの」という信じられない答えが返ってきました。日本の会社だったら、机がなくなっていても文句は言えないですよね。

さて、そんなに長く夏休みを取るノルウェー人。
旅行中に読んだ新聞にこんな見出しがありました。「私たちは休暇にもっとお金を使う」。ほぉ~、欧州は景気が不安定じゃなかったの?ちょっと記事をご紹介してみましょう(Aftenposten紙、2011年6月14日)。

今年の夏休み、各ノルウェー人は15700クローネ(約25万円)を使おうと考えています。この数字は去年より8.5パーセント増。Sparebank1(貯蓄銀行)の調査結果です。
ノルウェーに詳しい方ならば、ノルウェーでは雇用側が労働者に、「休暇金」(feriepenger)なるものを休暇前に支払う習慣をご存知でしょう。
今年の平均「休暇金」は、各労働者あたり43500クローネ(約70万円)!これは課税にならないという北欧では「あり得ない」ありがた~いお金なのです。(私のような自営業者にとっても、夢のような制度・・・)

これだけの「休暇金」をもらって、みんなのファイナンシャルプランはどうなっているでしょう?
6割の人がまさに「休暇に使う」と答えています。うん、まっすぐな答えでいいね。他にも「休暇金」の一部を貯蓄に、そして借金の返済にまわすという堅実な人が3割ほどいます。

年齢別にも興味深い調査結果が見られます。
25歳~34歳といった若い人ほど借金の返済に、この「休暇金」を当てるという傾向があります。そして25歳以下では、「貯蓄」が「休暇金」の使い道トップに輝きました。北欧人は日本人に比べて貯蓄率が低いのですが、意外と堅実なことが分かりました。

いずれにしても長~い夏休み。
くどいようですが、ノルウェー人にメールを書いても返事は来ない可能性が高いです・・・。あきらめてください。
8月中旬以降に平常営業に戻ります。

Bysommer(町の夏休み)

2011年6月24日(金)
他人の不幸は・・・

「蜜の味」と申します。

もちろん噂話でも楽しめますし、雑誌やネットという媒体を通じて知ることもできます。
日本では「婦人公論」という雑誌で長年、「読者手記」コーナーが名物となっています。そこでつづられる「他人の不幸」を読んで、「まだ私の方が幸せだわ~、賢いわ~」とつかの間、自分の方が優位に立てますし、また手記を書いた当事者もおのれの不幸を公にすることによって得られる快感があって、こうしたコーナーは延々と続くのでしょう。
(って、ほとんど「婦人公論」読んだことないのに語っちゃいました)

3年ほど前から、今まで見向きもしなかったノルウェーの雑誌を、現地に行くと買う習慣ができました。タイトルは「Hjemmet」(家)です。知り合いの知り合いが大きく掲載されたことをきっかけに、手に取りました。以来、軽く読める雑誌なので、帰りの飛行機で読むようになりました。

先週の帰国便でも、Hjemmet(No.24)を読んでいたのですが、この泥臭い雑誌の持つ底知れぬパワーに圧倒されっぱなし。そして本誌の名物「読者手記」によって、うっすらと「不幸の構図」が見えてきました。
日本とノルウェー、違いはもちろん多いんですけど、なんか似ているんです。不幸な女性のシルエットが・・・。

まず第一の不幸女性、Jeanetteさん。
大きく一面にカラーで顔写真を出しています。ここがちょっと日本とは違いますね。
「私の恋人は泥棒だった」という見出し。内容をざっとご紹介しましょう。
27歳の彼女は、Jan(仮)という10歳年上の男性とバーで出会います。最初は彼のことを気に入らなかったのですが、段々と魅力に惹かれていきます。実は彼は既婚者で子どももいたのですが、そんな事実は当然、知りません。

2人はタイに旅行に行くのですが、料金は彼女持ち。彼女の個人番号からカードの暗証番号を彼は割り出し、勝手にクレジットカードで買い物。彼女は遺産を手にしましたが、それもいつの間にか彼の懐へ。挙句、彼の子どもを妊娠してしまいます。
カード会社から連絡が入り、段々にJanの行状がおかしいと疑いを持ったJeanetteさん。
最後は彼を民事裁判に訴え、ある程度の賠償金判決が下りましたが、彼女が失ったものはあまりにも大きかったのです。

第二の不幸女性、「私」。
シングルマザーの彼女は、周りの家庭をみて、常に欠如感にさいなまれていました。そして新しい出会いを求めて、インターネットで恋人を探しますがうまくいきません。
焦った彼女は、土曜日の夜、二人の子どもを家に残して夜の街に出ます。そしてバーで出会ったのがKennethでした。ルックスも感じも良い彼に、彼女は惹かれます。
二人は付き合い始め、彼女は幸せでした。たとえKennethが無職であっても・・・。彼曰く、彼には麻薬犯罪で前科がありましたが、「俺は無実だ」という言葉を信じていました。

無職の割にはお金がある彼。タイ旅行にも行っちゃいます。そして彼女は妊娠し、出産。
でも段々、彼の不審な点が目につきます。長い間どこかに消え、説明を求めても変な答えが戻ってきます。そう、彼はやはり「無実」ではなく、麻薬中毒者でした。
そして別れようとする彼女を暴力で脅しました。彼女は子どもと共に逃げましたが、彼は後を追い、今は秘密の住所で暮らしています。
ああ、なんて私は愚かだったのか・・・。悔やんでも悔やみきれません。

2つのケースに共通するのは、「出会いはバー」と「タイ旅行」。
単純な私は「ノルウェーではバーに行かないこと、タイには旅行しないこと」と、刷り込みされそうです。
もちろん、家庭的で明るい雑誌「Hjemmet」は他のページでは美味しそうなお料理レシピが紹介されていたり、素敵なニットのワンピースの作り方などが紹介されています。
合間、合間の「不幸手記」とあいまって、いい感じの塩梅になっています。

次回のノルウェー旅行でも、「旅のお供」になってくれるでしょうか。

こんな雑誌です

2011年6月3日(金)
新しい警察トップ

要職に誰かが新しく任命されると、新聞には大きなインタビューが載ります。
今朝届いたAftenpostenの1ページ目には見開きで、大きく新しい警察トップのインタビューが載っていました(2011年5月28日)。

特に関心はなかったのですが一応、目を通すか・・・と思い、読み始めるとびっくり!しました。新しく警察トップに就いたØystein Mæland氏(男性)は、自分の家族構成についてこう語りました。
「私は男性と結婚していています。1歳半の子どもがいて、10月に新しい子どもが生まれます。子どもはアメリカで代理母を通じて、得ることができました。この代理母制度については議論があることは知っていますが、私自身はそうした議論に加わりたいと思いません。でも自分たちがしたことに対しては、良かったと心から思っています。」

確かにノルウェーは法律で完全に平等な「同性による結婚」を認めています。私もよくレッスンでその話をします。ただ、警察のトップといういわば保守的な要職に、そういう家族背景の男性がなれるんだ~と、ただただ感動です。日本の警察では考えられないですよね?

Øysteinさんは「私たちは他の家族と同じように幸せです。この事実について隠すつもりはありません。」と続けます。
記者はこう尋ねます。「男性的な組織のトップに、あなたのように同性と結婚した人がなるのはある種のチャレンジではないですか?」と。やっぱりノルウェー人でもそう考えるんですね。
Øysteinさんは答えます。「私はそうは考えていません。私は自分のことに敬意を払われてきましたし、私の決断に対し、否定的な反応や意見はありませんでした。」

この要職としては、異色なことに精神科医というバッググランウドもお持ちだそうです。
警察の経験が欠けているという指摘もあるようですが、Øysteinさんは警察のお世話になったことがあるそうです。
自転車が盗まれたこと、家に空き巣が入った経験があるそうで、でもその際の警察の対応に満足しているそうです。

とりあえずはお手並み拝見ですね!

私たちのトップね

2011年5月27日(金)
北ノルウェーが好景気

長年ノルウェーのことに関わっていると、一度、触れた情報に何の疑いもなく、今でもそうだ、と思い込んでしまうことがあります。ですから、常に新しい情報でアップデートしないといけないのですが・・・
今日はこうした「思いこみ」をひっくりかえすニュースをお伝えしましょう(Aftenposten紙、2011年5月21日)。

同紙では「北ノルウェー」の特集が組まれています。
私が今まで持っていた北のイメージは、人口がどんどん南へ流出していまい、それを引きとめる為に、税金の軽減や特別手当などで過疎化を防ごうとしている。だが過疎化は止まらず、人口減とそれに伴う経済困難にあえいでいるというものでした。

しか~し、北ノルウェーは好景気のようですね。

次々と開発される石油、ガスといった天然資源は、今年になっても対前年比輸出額が38パーセントも増えています(全国では8パーセントにすぎません)。
こうした統計に裏付けられ、北ノルウェーの人は今後の発展に楽天的で、事態に素直に喜んでいます。
労働人口も足りません。ということで、失業率は記録的な低さになっています。つまり「仕事を望めば、得られる」状況と言えるとか。一番北のフィンマルク(Finnmark)県はとりわけ労働力不足に陥っています。

北が好景気に沸いているのは天然資源のせいばかりではありません。水産物の養殖業者はどんどん北へ移っており、サーモンの北ノルウェーからの輸出は増加しています。そしてサーモンの値段はここ5年で2倍になりました(うちの近所のノルウェーサーモンも値上がりしていました。関係ない?)。

さらにさらに、観光業も好調です。夏だけではなく、冬もオーロラツアーはすっかり定着しました。沿岸急行線(Hurtigruten)の冬の乗客数も50パーセント増えました。北ならではのエキゾチックなオプショナルツアーで観光客を誘います。

てな感じで産業が活発だと、当然、人口は増えますね。
「北欧のパリ」(Nordens Paris)ことトロムソ(Tromsø)は、人口5万人くらいかと思っていたら、もうすぐ7万人になるそうです。その他、Bodø、Alta、Hammerfest、Harstad、Kirkenesといった北ノルウェーの町では人口が増えているとか。

ということで、私がもっていた「かわいそうな北ノルウェー」のイメージは見事に変わりました!思い込みを持たないこと。これって簡単そうで簡単ではありません。これからも、情報のアップデートに努めますね。

トロムソの北極教会

2011年5月19日(木)
英語圏以外に留学を!

SV(左派社会党)の教育省担当官、Tora Aaslandは、ドイツを訪問し、以下の発言をしました(Universitats、2011年5月17日)。
「学生たちが留学することは、とても大事なことです。特にドイツへ行くことが。」
ドイツはノルウェーでは様々な面において協力関係にありますが、こと留学生の数においては、ここ数年、低調気味になっています。

ドイツへ留学生するノルウェー人学生は年間234人。ドイツからノルウェーへ留学する学生は982人です。ドイツ留学生の数は、5年で48パーセントの伸びをみせています。
ということで意外にも、ノルウェー側の消極姿勢がうかがえる結果となりました。
それに憂えたAaslandは、「ベルリンやポツダムを訪問しましたが、大変、流暢なスカンジナビア語を話し、ノルウェーやノルウェーの文化に興味がある学生たちにたくさん出会いました。でもノルウェー人の学生たちは、ドイツではなく、どうやら別の道を選んでいるようですね。」

もっともAaslandは過去の発言では、「むしろノルウェー人学生はヨーロッパを離れるべき」とも発言しています。候補として挙げている留学先は、南米(とりわけブラジル)、インド、ロシアなど。なんか、これらの国に行ったら、ノルウェー人、パワーに圧倒されそう・・・って老婆心です。

ですが現状では、ノルウェー人留学生のほとんどはイギリス、オーストラリア、アメリカを選んでいます。Aaslandは英語だけではなく、第3の外国語を学ぶべき、と考えています。
「ノルウェーは、周りの国に依存している小国です。ですから、外国語の知識を持つ人がたくさん必要となってきます。言葉だけではなく、文化への理解も欠かせませんね。」

こうしたAaslandの考え方はオスロ大学の学長からも支持を受けています。
もっとも学長は英語偏重を憂えるのではなく、ノルウェー人の異文化理解の欠如が国際競争で後れを取るのでは、と心配しています。

オスロ大学に留学中、ドイツ語学科の人気凋落ということはすでに聞いていました。
確かにノルウェーは人が少ないから、1人1人に高い資質が求められますね。
良かったら、日本にもおこしやす(となぜか京都弁)。

ノルウェー人学生たち

2011年5月6日(金)
お年寄りも働きやすく

ノルウェーの労働法(直訳すると労働環境法)については、日本の労働法よりよく分かっているつもりでしたが、まだ未知の分野がありました。
こんな条文があるそうです。「労働者が70歳を超えると、理由なしの解雇が認められる。」
いわゆる「70歳上限法」と呼ばれるものだそうです。これについて新しい動きを紹介する記事をご紹介しましょう(Aftenposten紙、2011年4月30日)。

日本では「生涯現役」という意識を持って、できるだけ長く働きたいと考えている人が増えている印象があります。聖路加病院の日野原院長があれだけ珍重されているのも、人々が「あやかりたい」という気持ちに支えられているのではないでしょうか?

ノルウェーでもここ10年で高齢労働者の数は2倍に増えました。私の勝手な推測では、みんな早く年金生活者になりたがっていると思っていたので、意外です!
こうした現状を踏まえ、政治の分野に新しい動きが見られました。
「70歳を超えると実質的に働きにくくなる法整備はなくすべきです」と保守党(H)の労働政策スポークスマンはコメントしています。同氏は、70歳上限法を完全に撤廃し、個別に75歳を上限に変えるべきと考えています。この改革によって、もっと高齢者が長く働くことにつながります。
さらに、進歩党(FrP)も「70歳上限法は撤廃すべき」と主張しています。
また自由党(V)も「年齢によって差別されることがなくなるよう、あらゆる年齢上限はなくすべきだ。」とコメントを寄せています。そしてキリスト教民主党(KrF)は、すでに党のマニュフェストで「72歳を上限に」と訴えています。

こうしたいわば「野党」の動きに対して、経済界トップの団体NHOも、基本的に年齢上限の引き上げに賛成しています。ちょっとこれは日本では考えられないような・・・・。
それに対して最大の労働組合LOは、「今、上限を撤廃する必要性を感じない」と反論。これも日本では逆のような気がするのは私だけでしょうか?
政権党である労働党は、事態の推移を見守る慎重な姿勢です。

いずれにしても、ノルウェーの高齢者は一般的に元気な印象があるので、「働きたい」というこうした動きは理解できます。
若い人たちの意見も聞きたいですね。

高齢者センターから

2011年4月27日(水)
薄毛という宿命

・・・をノルウェー人は受け入れていると思っていました。
私たちアジア人と比べると、髪の量は「さ、さびし~」のがあちらの方々です。でもそれは、ノルウェー人の方が背が高く、髪がブロンドで、目が青い人が多いのと同じこと。ノルウェー人は「薄毛という宿命」を、黙って受け入れているとずっと思っていたのですが・・・。
実は宿命にあがなうべく奮闘している人々のスケッチが載っていたのでご紹介しましょう(Aftenposten紙、4月16日)。

時はさかのぼって80年代。薄毛に悩む人々は絶望的な気分で、部分カツラに手を出していましたが、それは当時としてはとても高価なものでした。「男性と失われた髪の毛」プロジェクトは産声を上げましたが、怪しい医薬品など効果をもたらすことはなかったのです。
時は30年を経て、薄毛に悩むノルウェー人男性のためのサイトが今ではあります。そこには、クリニックや植毛、カツラ、わざわざ渡航して髪を取り戻す試みなど、涙ぐましい体験が寄せられているそうです。
「まるで悪夢のようだ。何千クローネも払えば、時を戻せるだろうか」とある男性は書いています。「僕の頭はもうダメだ。どれほど後悔しているか理解できる人はいないだろう」と別の男性は書いています。

そもそもノルウェー人はカツラなど使っていないと思っていましたが、部分カツラは80年代から進化を遂げ、大体、4万人~5万人のノルウェー人男性が使用しているとか。年間にかかるお金は40万~56万ほどです。
ちょっと「うさんくらい」クリニックもあります。「あなたの髪の毛を元に戻しましょう。保証つきの医療行為です」をかかげたギリシャ人のお医者さんとノルウェー人のお医者さんのクリニックです。ここでの医療行為とは要するに植毛。後ろの毛を前の方に移植します。痛みはなくて、ランチが付いているというノルウェーには珍しいサービス満点なクリニックです。費用は、30万~85万くらい。それはランチもつきますわなぁ~。

ですが薄毛の人々に希望の光が2000年に灯りました。デヴィット・ベッカムがつるっぱげのヘアスタイルで颯爽と登場したのです。そう、「スキンヘッド」がモダンなヘアスタイルとなりました。
どうりで~。私、ノルウェーに行くとやたらとスキンヘッドの人、見かけます。前に記事にも書きました。お世辞ではなく、みんな似合っていますよね。
そう、本人は悲壮でも周りはあなたの薄毛を「いいじゃん」と思っていますよ!

よくある光景です

2011年4月22日(金)
ポースケ(イースター)といえば。。。

もともとポースケ=påskeはキリスト教の行事です。
ですが、教会よりも行きたいところがノルウェー人にはあるようで・・・(Aftenposten紙、2011年4月21日)。

それはずばり隣国でのお買い物!物価の高いノルウェーに住むかの国の人々は、わざわざ国境を越えて、お買い物に興じます。
政府の消費研究所(SIFO)の調査によると、平均的な食べ物の値段は、ノルウェーと比べてスウェーデンは23パーセント安く、デンマークでは6パーセント安いとか。それはもうお買い得ですね♪
あとさらに細かい情報としては、チョコレートはスウェーデンで買うべし、と指南しています。なぜなら、ノルウェーよりも39パーセントも安いからだそうです。Snickersという有名な銘柄のチョコは、なんと半額も安いとか。でもチョコレートのために、わざわざ国境越えるかな・・・と思っていたら、まだお得なものがあるんですよ、奥さん。
ノルウェー人が大好きな「タコス」を作るために必要なタコスソースは、スウェーデンの方が42パーセントも安いんです。いかがですか?心が動きます?

食品以外でも、お得な商品はあるんです。例えばシャンプー。ウェラのシャンプーはスウェーデンの方が半額、デンマークでは37パーセントも安いんです。お得ですわね!

この手の記事って、本当にポースケの風物詩です。
私がオスロに留学していた11年前も、テレビでスウェーデン国境に向かってノルウェーの自動車渋滞の映像を見て、呆れていました。
みんな、教会に行かないのか~い?って聞くだけ虚しいですね。

国境に向かって大渋滞

2011年4月15日(金)
10代しゃべり場!

最近、金曜日に更新することが多い「金曜日の女」ことfrosk編集人です。
ネタ探し、こんなの楽勝に見えますよね?でも意外と苦労しているんですよ。で、今日は届いたばかりのAftenposten(2011年4月9日)から、いつも愛読しているコーナーのご紹介をしましょう。

ティーンエィジャーのお悩み、意見交換が楽しめるページ「Si;D」。
まずSolfrid(13歳)からの投稿です。彼女はショッピングにお金がかかり過ぎると悩んでいます。
「どうして洋服やコスメってこんなにお金がかかるの?500クローネもするファンデーションを買うなんて、お金を捨てるようなものよ。」
おばさんはこの時点で驚きます。イマドキの13歳って、ファンデーションしかも7000円もするようなの使っているんですか??そして彼女の結論は、「お店はもっと品物の値段を下げて欲しい」でした。確かにそうだね、うん。でも化粧やめたら?

次は同じく13歳TKの投稿です。TKさんは「離婚した両親を持つ子どもの立場」として投稿しています。「私も妹もパパとママが別居をして、とても重く受け止めています。妹は泣いています。私は心を強く持って、妹をなぐさめたいです。」。
結婚したカップルの半分は離婚するのが現実のノルウェー。いくら離婚が珍しくないからといって、子どもの傷は大きいです。

お次は男の子Gutt(15歳)からの投稿です。Guttさんは、「確かにノルウェーは貧困もなく、すばらしい福祉国家だから、不満ばかり言うのは止めよう」という以前の投稿に対し、「不満を言う」自由を訴えます。確かに民主国家では、多様な意見が重要ですね。

最後にPåsan(16歳)からの投稿をご紹介しましょう。
より「ヘルシーな食べ物を買うこと」を訴えます。「もし果物や野菜、チキンを買って家に帰ってきたら、普段の食料品よりも高くついていることに気づくでしょう。」と述べた後、こうした事実には「お店に責任があります。」と、若さゆえ(?)の強気な発言が続きます。
そして、「果物と野菜の値段を下げて!」と家計を預かる主婦のような主張で投稿は締めくくられます。

もちろんこの紙面に載っているという段階で、「編集」という行程があることは重々、承知していますが、毎回、意見の多様さに驚き、時にあきれ、そして感心することが多いです。
これからも、同コーナーを極東から楽しみにしてますよ♪

ヘルシーな食べ物といえば・・・

2011年4月8日(金)
勉強大好きな移民グループは?

ノルウェー人に「塾」の話をすると驚かれます。
またこの世に「幼稚園に入るための受験」なるものが存在する、と話すともっと驚かれます。
ノルウェーはほぼ90パーセント以上の子どもが公立学校へ通い、熾烈な大学受験とはかなり様相は異なります。
でもノルウェーに居を構えた移民の中には、母国の「教育が大事」精神を引き継いでいる人たちがいます。レポートをご紹介しましょう(Aftenposten紙、2011年3月26日)。

最初にオスロ郊外Furusetの中国人一家が紹介されます。お父さんは「教育は子どもの成長にとって最も大事なものの1つ」と断言し、娘たちには厳しい教育環境でのぞんできました。そのかいあって長女はノルウェーでも有数の人気大学、ベルゲンの商業大学を卒業予定。下の娘たちも順調に、優秀な成績で姉を追っています。
ただ、自分たちの教育ポリシーは維持しながら、ノルウェーの学校が大切にする「自立、協力、批判的センス」も大事にしているそうです。

この一家だけではなく、東アジア出身の移民たちは、平均よりも、より勉強を長時間行い、より高等教育を受ける割合が高いです。
ノルウェーで19歳~24歳で高等教育を受けている女性の割合は37パーセント。一方、東アジア出身の両親を持つ女性は同じ調査で65パーセントにも上ります。
オスロ大学の教育学部のLauglo教授によると、「東アジアからの移民は、教育によって成功をつかもうという意識が、他の移民グループより強いことが世界的に知られている。先生に対する尊敬の念も強い。」とのことです。納得のお言葉ですね。

別の学生も紹介されています。ベトナムから来た女子学生は現在オスロ大学法律学部に所属。彼女は6歳の時に来ノルしました。
「母国では勉強ができるのに慣れていましたが、ノルウェーでは言葉に苦労し、困惑しました。なのでできるだけ早くマスターしようと決めたのです。」そして彼女は猛勉強しました。
「私はここノルウェーでは一生懸命努力すれば、うまくいくと聞かされてきました。ベトナムでは学校の規則が厳しかったですが、ノルウェーはもっと自由ですね。」

ノルウェーでは生徒が先生に対して「Jens」のようにファーストネームで呼ぶのが当たり前です。東アジア特有の勉強に対する無限の可能性を信じる心と、ノルウェーの自由で、でも自立して生きていくための教育がうまくマッチングすると最強ではないでしょうか?

遊ぶを通じて学ぶことも大事


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