各回のまとめ
ノルウェーについて学ぶサロン・講座レポート


第46回「ノルウェーのことばと文化」
〜ライドゥン先生が語る外国人に学んでほしいこと〜

開講日時: 2010年10月16日(土) 13:00〜15:00
参加者数: 22名

●テーマ紹介文
ノルウェーに留学する日本人は他国に比べて希少です。その中でも、ノルウェー語を専攻して学ぶ人は更に希少です。
今回お招きするゲスト、ライドゥン・オンブー先生は、当講座の主催者である青木順子が1995年、ノルウェー語を学ぶべく西ノルウェーのヴォルダ・カレッジに留学した時に出会ったノルウェー語の先生です。
彼女の時に厳しい、時に優しいノルウェー語の授業は、今の青木の大切な基礎となっています。
そんなライドゥン先生の初来日を記念して、サロンでの講演をお願いしました!

先生からのコメントです。
「私は、特にアジアの人たちがノルウェー語を学ぶ時に直面する問題点や、各々の国での役割の違いなどについて触れたいと思います。
外国人学生がノルウェーで学習する時、社会活動への参加も必要になりますが、時にその文化的背景が異なるために、ノルウェー人の行動や言葉を誤解してしまいます。そこで、ノルウェー語の習得のためには、彼らにノルウェーの文化的特徴や価値観についても、教えてあげることが不可欠なのです。
なぜなら、ことばには、その国の文化や文化的表現が反映されているからです。
今回の講演では、外国人がノルウェーの文化の中で、最も奇妙で混乱してしまう点などについて、お話したいと思います」

長年、外国人にノルウェー語を教えてきた先生の、貴重で多彩な経験談に、どうぞご期待ください。
なお、講演はノルウェー語ですが通訳しますので、どなたでもご参加いただけます。
本場の先生の生のノルウェー語を、皆さま、ご一緒に体験してみませんか?
ノルウェー語ワンポイントレッスンはお休みです。

ゲスト講師プロフィール
Reidun Aambø (ライドゥン・オンブー)さん
ノルウェー国立ヴォルダ・カレッジ準教授。
1981年から同校で教鞭をとり、ここ20年間は86カ国から来た外国人学生に講義を行う。
専攻はノルウェー語、純文学、文化。
著書:Typisk norsk å være uhøflig?(礼儀知らずなのが典型的ノルウェー人?)
サイト内でもご紹介しました

●講演内容

自己紹介/はじめに/ノルウェー語/学生と先生の役割/典型的ノルウェー人・ノルウェー的なこと(ノルウェーは小さな町でできている、散歩やトレッキング、ノルウェー人はインフォーマル、ノルウェーの権力者、ドレスコード、庶民的であること、国王、女性と男性の役割、高齢者、ノルウェーは典型的な非競争社会)/ノルウェー人は日本について何を知っているか?
●ノルウェー語レッスン
お休み
●付録
新規参加の方には・・・語学資料「ノルウェー語とは」
       その他 ノルウェー大使館、フィンツアー、スカンジナビア政府観光局
            提供の資料多数
       ノルウェー夢ネット企画協力・ノルウェーツアーのご案内(2011.6.10発)
       世界のアニメーションシアターの告知(ノルウェー映画:アングリーマン上映)

●主催者後記

今日のサロンが実現するまでには、実にたくさんの時間が流れました。
ライドゥン先生のもとでノルウェー語を勉強したのは、もう15年も前のことです。出来の悪かった私のような学生のところへ、先生が来て下さり、講演をして頂けるとは夢にも思っていませんでした!
ライドゥン先生は、多くの異なる人種の学生を相手に長年、ノルウェー語を教えていらっしゃいます。これは決して容易なことではありません。全く価値観の違う国から来た学生もいますし、ノルウェー語がすでにかなりできる学生もいれば、全くの初心者の学生もいます。
先生自身、いろいろなノルウェーに関する質問や批判を外国人学生から受けてきたでしょう。いわば先生が「ノルウェー代表」として、彼ら・彼女らのカルチャーショックに対峙してきたのです。
そんな先生が、「何がノルウェー的か、どんな文化的・社会的特徴があるか」
を話す内容は大変、重みがありました。そして改めて、自分がなぜこんなにもノルウェーという国にこだわってきたのか再確認することができました。
サロンの後、先生と同行のお友達を拙宅にお招きしたのですが、「今日のサロンがとても素晴らしい体験だった」と何度もおっしゃっていたのが印象的でした。
今回の日本滞在での「ハイライト」だった、との言葉が我ながら嬉しかったです。
ご参加くださった皆さま、どうもありがとうございました!
(Aoki)

先生のお話に聞き入る生徒たちでした皆さんの質問がとても面白くて、既にノルウェーについてご存知の方が多いことに大変驚きました。ノルウェーに興味を持ってくれることが、とても奇妙に感じます。
皆さんが笑ってくれたり、いい雰囲気で迎えて下さったことに、感謝しています。
また、普通は文化に興味を持ってくれるのは女性が多いのですが、男性の方々がいらしてくれたことも、嬉しく思いました。
(Reidun)

思い起こせば、実はライドゥン先生のサロンへのご来訪は1年近く前に決まっていました。その頃は、本当にいらしてくださるのか、半信半疑でしたが、来日するなら是非、ノルウェーに興味を持ってくださる日本の皆さんと話をしてみたい、とのご本人から希望があったのです。
それから、青木を通して準備を進めてきたのですが、私自身は今回のサロンで初めて先生にお会いしたのに、なんだか前々からの古い知り合いのような感覚でした。
それだけ、先生には、私がよく知っているノルウェー人たちと同様のオーラがあって、まさにTypisk norsk(典型的ノルウェー人)と呼ぶに相応しい方なのでしょう。
ノルウェー人の代表として多くの外国人に”ことばと文化”を伝え続けて来られた実績に納得いたしました。
それにしても、サロン終了後に、会場入口に貼り出していた「会場案内」の紙切れをお土産としてお持ち帰りになった講師は、ライドゥン先生が初めてです!私たちがノルウェーの文化に興味があるように、先生は今回の来日で日本のことを多く学び、その体験を残されたいのでしょう。そのご熱心さには敬服です。
(Yoko)

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