2013年夏 オスロところどころ


その14〜涙の帰国(ウソ)〜 最終回

2013年6月20日(木) 晴れ

今日はいよいよ帰国日。
この連載では引っ張りましたが、滞在は1週間、オスロだけでしたが、本当に「あ!」という間でした。

前日にパッキングはほぼ済ましたが、最後に入れるものを詰め込んで、スーツケースは来たときよりも確実に重くなっていました。
アウドさんが、オスロ中央駅まで車で送ってくれます。
駅で Flytog(空港エキスプレス)のチケットを買い、ノルウェーにしては珍しくスピーディーな車内に乗り込む前に、アウドさんとハグ。
アウドさんとは、まさかこんなに長い付き合いになると思いませんでした。
日本では、「友達」ってほぼ同年代の人に限られますが、ノルウェーだと、年齢が離れていても「友達」って全然、違和感がないのが不思議です。

夏休み?人が多い空港ノルウェーの電車は音もなく発車します。
20分弱でガルデモーエン空港に到着。
早くも夏休みで海外旅行へ出かけるノルウェー人でにぎわっていました。
チェックインは、今ではカウンターでは一切、受けつけてくれません。
すべてオートチェックインです。
面のタッチパネルを「これでいいのかな」と押していきますが、Eチケットに書いてある予約番号がどれなのか分からず、何度かやり直しました。

ようやくチェックインできて、チケットと荷物用のシールが、にょろにょろ〜とマシンから出てきます。
次はスーツケースのバゲージ・ドロップのカウンターに並びます。
やはり長蛇の列。
ここはまだ人の手でやっているので、「遅い」です。
時期によってはかなり混むので、余裕をもって到着されることをおススメします。

オスロの回転ずしスーツケースを無事に預けて「成田へ届きますように」と念を送り、荷物チェックの列へ。
特にアラームは鳴らずに、荷物も無事に出てきました。
国際線ターミナルへ向かい、すると Tax Free ショップがでで〜んと広がります
が、規模としてはコペンハーゲンのカストロップ空港の方が全然大きいです。
どうしてもノルウェーでしか手に入らないものだけ、買った方が無難でしょう。

さていつもチーズやら水産物を買っているお店が見当たりません・・・。
うろうろしていたら、ようやく見つかりました! 
ここで geitost (ゴートチーズ)と、パンに塗る Kaviar というチューブ状のタラコのペーストを買います。
Kaviar

やっぱりクロスワードがすきあとお約束で、飛行機で軽く読める雑誌「Hjemme」を買います。
以前、「最近の話題」でもご紹介しましたが、中身は王室+セレブネタが少し、合間に読者手記、そして手工芸やレシピなど、読者層は高齢でしょうね。
私は読者手記が面白いので(婦人公論みたい!)、買っています。

コペンハーゲン行の搭乗ゲートへ向かいます。
「なんでこんなに?」というくらいの混雑ぶり。
はい、搭乗ゲートのスペースがそんなに広くないんです・・・。
機内に乗り込むと席は後ろの方で、隣のおじさんが、やっぱり「クロスワード」をしていて、苦笑。
長距離飛行機では眠れませんが、短距離だと眠れるので、少し眠り、すぐにコペンハーゲンへ到着。

カストロップ空港は、昔に比べてホント―にお店が増え、タダで座れるスペースが減りましたね〜。
デンマークの高級チョコの風情をかもしだしているお店で姉にお土産を買いました。
コペン空港の土産物屋 仲良しスカンジナビア!まだ時間があったので、いわゆるコテコテの「お土産屋さん」を覗くと、スウェーデンの名物「ダーラナヘスト」がなぜかたくさん売っていました。
ノルウェー物は少なかったです。

さて成田便は、日本人が律儀なのか、かなり早い時間からゲートに人が集まるのが常です。
久しぶりに日本人をたくさん見て、日本語を聞いて、なんだか不思議な気分。
改めてチケットを見ると、かなり前の方でした。
機内に乗り込むと、なんと「エコノミーエクストラ」シートでした〜。
「え〜〜どうして〜〜でも嬉しい♪」テンションUPです。

シートの下にはフットレスがあるので、足が超むくみやすい体質にはありがたいですね〜。
前の座席との間隔もエコノミーより広いです。
機内食では、「チキンか魚か」と選ぶことができます。
エコノミーエクストラの機内食スカンジナビア航空(SAS)ではおなじみの温めてあるパンのサービスがやっぱり、「いいわ〜」となります。

何となくこのシートだったら、「眠れる?」と思いましたが、アウドさんから「この本、すごく面白い」と頂いた「ノルウェーの悲劇」(En norsk tragedie)を読み始めました。
2011年7月22日、オスロの官庁街の爆破テロと労働党青年部キャンプをたった一人の男、ブレイヴィークが襲い、計77人を殺害。
平和なノルウェー史上、未曽有の大規模テロ事件は世界でも大きく報道されました。
本書では、ブレイヴィークの複雑な生い立ち、オスロという街にどんどん増える移民と、移民への対抗意識を持つ若いギャングたち、ブレイヴィークのほぼ引きこもりの生活などバックグランドを詳細に取材し、そして22日当日の殺りくの様子が描かれています。

あまりの迫力に、私は眠ることも忘れ、本に没頭し、約360ページを読み切りました。

成田空港に無事到着し、「もあ〜」とした湿気がお出迎え。
この空気を感じると「ああ、日本に帰ってきたなぁ」と実感できます。
「今度は荷物が無事に届いていますように!」とターンテーブル前に並ぶと・・・かなり待ちましたが、出てきました〜♪
スーツケースは同日に届くので、宅配で送る手配をし、私は暑さと湿気と眠気と疲れを一身にまといながら、帰宅の途につきます。

たった1週間の滞在でしたが、今回もたくさんの出会いや発見がありました。
叶うならばもっと違う季節、もっと頻繁に行きたいところですが・・・
はい、ぜいたくですね。
1年のうちベストシーズンのノルウェーを旅できることの喜びをかみしめて、「来年も行っちゃうぞ〜、ノルウェー伝道師続けるぞ〜」と思いを新たにしました。
(おわり)


「旅のあれこれ」トップへ戻る
2013年夏オスロところどころ その13へ

ホームへ戻る
Home