世の中、まめにメールをくれる人もいれば、こちらも驚くほどの稀なペースでしかメールをくれない人もいます。
もう13年前に、ヴォルダカレッジでノルウェー語を教えてくれたReidun(ライドゥン)先生は後者のタイプ。全然音沙汰がない時が数年続いたかと思えば、突然、メールを送ってくれます。
今回の旅行中、はるばる西ノルウェーの小さな町、Voldaを旅程に加えたのは、彼女がくれた気まぐれなメールのせい。私が10月にノルウェーを旅行すると返信で書くと、軽い調子で「ヴォルダに来ない?」と誘ってくれました。まるでオスロの隣町であるかのごとく・・・。最初はこう思いました。「あんな小さなプロペラ機に乗って行くわけないでしょ!」って。でも年のせいでしょうか。妙にセンチメンタルになってしまい、「この機会を逃せば、もう二度と、あの思い出いっぱいのヴォルダを見ることもないんだ」という思いが強まったのです。
最初の留学地ヴォルダという土地。拙著「わたしのノルウェー留学」でもしつこく書きましたが、楽しい体験もあったけど、その倍以上、たーくさんの辛酸をなめた場所でもあります。でも月日が経つと、きれいな景色や楽しい思い出の方が記憶に蘇ってきます。記憶っていい加減なものですよね。
「よし、行くぞ!」と決意し、オスロからヴォルダまでのエアチケットをネットで予約しました。
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そうなんです。西ノルウェーには鉄道が通ってない場所が結構あるんです。ヴォルダまでは、Widerø社のプロペラ機が飛んでいます。 ガルデモーエン空港でチェックイン後、カウンターへ。やはりローカル線のためでしょうか。空港のいっちばん端っこの方まで歩かないとカウンターには到達できません。 ようやく飛行機に乗り込む時が来ました。懐かしのDASH-8・・・。 13年前に初めて見た時は、我が目を疑いました。これ、ちっちゃい。本当に飛ぶの?って感じで。全部で20人乗りくらいでしょうか。当然、全席自由席です。 ノルウェーはいろいろと変化を遂げてきましたが、DASH―8は変わってませんでした。 |
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![]() 飛行中、音もうるさいです。 でもいい点もあります。そんなに飛行高度が高くないので、眼下の景色がよく見えます。 西ノルウェー特有のダイナミックな景観が楽しめました。 |
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途中一箇所の経由をはさみ、2時間ほどでヴォルダに到着します。 世に空港は数多く存在しますが、ヴォルダの空港は、地方の鉄道駅のようなたたずまい。とってもこじんまりしています。空港にタクシーなんて止まっていません。 ライドゥン先生が迎えに来てくれていました。 先生が運転する車に乗って、空港からヴォルダの街中へ向かいます。窓の外には懐かしい景色。そして先生の話す懐かしい方言・・・。ってあまりしみじみできないのが、ノルウェーの方言のつらいところ。油断していると何を話しているのか分からなくなるので、がんばってヒアリングします。 |
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ワッフルを食べながら、日本についてたくさん質問をされました。先生は、数多くの外国人学生と接した経験を生かし、ノルウェー人論も著しています。外国人から見たノルウェー人、が興味の対象なのですね。 夕方になり、旦那様と息子さんが帰宅。16時には家族揃うって、うらやましい限りです。 |
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![]() ヴォルダは西ノルウェーの土地がそうであるように、アップダウンがきついです。坂を上って、かの老人ホームはありました。自治体が運営するホームです。 訪問先は、90歳を越えた女性です。その年齢が信じられないほど、かくしゃくとした人でした。 ホーム内の食堂、リビングの写真を撮りました。 |
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1階の玄関ホールでは、おじさんバンドが出張コンサートをやっていました。 広々とした空間、趣味の良いインテリアが印象的な場所です。 帰宅する途中、ヴォルダの街中を散策したのですが、グローバル経済の影響でしょうか。昔はなかったレストランが幾つかあって、「ヴォルダも変わったのね~」としみじみしました。当時は本当に、外食なんて考えられないような土地だったのに・・・。 |
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帰宅後、先生の旦那様がおいしそうなサーモン料理を作ってくれました。 ディナーには、カレッジで日本語・日本文化を教えているTengyoさん(リレーエッセイご参照ください)が参加。ヴォルダが相当気に入っているらしく、流暢な英語でいろいろと楽しくおしゃべりをしてくれました。いいな・・・英語ができるって。 |
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さて翌日。いよいよヴォルダカレッジを訪れます。 「どうしてヴォルダで勉強したのですが?」とよくノルウェー人に聞かれるのですが、外国人学生にノルウェー語と社会科を教えてくれるコースは、こことテレマルクカレッジが有名なのです。 13年前、アジア人留学生は私だけでした。ここ3年ほどは、中国人学生が急増しており、現在26人のクラスの半分が中国人だと先生に聞き、これまた驚きです。 昔よりも、棟が増えていて中はモダンでおしゃれでした。ヴォルダカレッジのおしゃれな看板です。 |
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今のクラスを見学。椅子が以前に比べておしゃれになっていました。 1脚何万円もしそうな椅子がこんなにたくさん・・・・。持って帰りたくなりました。 |
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図書館もいい感じになってました。学生は、ipodを耳に、パソコンで作業をする姿が多かったです。 |
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食堂も、うらめしいほど素敵になってました。 前に比べると4倍くらいの広さでしょうか・・・。こんな田舎におしゃれがあふれていて、もったいないです。でもノルウェー自体がそういう国なんですよね。 |
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昔、ほぼ毎日食べていたスヴェラという西ノルウェー名物のパンケーキを食べました。中に山羊のチーズが入っていて、私が当時、劇太りした要因です。 懐かしい味がしました。 |