![]() ノルウェーについて学ぶサロン・講座レポート 第56回「ノルウェーに学ぶワークライフバランス」 〜L.S.A. CEOのトゥロンさんを迎えて〜 |
![]() |
開講日時: 2012年7月21日(土) 13:00〜15:00 参加者数: 25名 ●テーマ紹介文 OECD(経済協力開発機構)の統計によると、日本人はノルウェー人より年間で300時間長く働いているそうです。8時間労働でほぼ40日分に相当します。 有給休暇の取得日数はノルウェー人の平均は年26日、日本人は10日ほど。 ”世界幸せ指数”調査では、ノルウェーは世界で第3位、日本は81位・・・。 しかしながらノルウェーを含む北欧諸国の労働生産性は世界でもトップクラスです。 更に 2012年5月8日、セーブ・ザ・チルドレンの調査で、ノルウェーは「世界で一番お母さんに優しい国」に選ばれました。 今回のサロンでは、ご自身の会社でワークライフバランスのコーチング等を手掛けており、ライフスタイル・スカンジナビア・アカデミーのCEOでもあるトゥロンさんをお招きします。ノルウェー人の働き方から、幸せになるためのヒントを教えていただきましょう♪ 講演では、典型的な働くノルウェー人の1日と1週間、彼らがいかに仕事とプライベートを両立させているか、そしてどのように短い労働時間で大きな生産性を上げているかをお話いただく予定です。 また、女性の政治と仕事への参画など、”ワークライフバランス”を可能にする背景についても言及されます。 ノルウェーと日本の比較をしながら、日本人がより良い”ワークライフバランス”を得るためには何ができるか、何をすべきなのか、理想的なライフスタイルとは何かを、ご一緒に考えてみませんか? 両国の現況をよく知るトゥロンさんだからこそ伝えられる、その視点に注目です。 ノルウェー語ワンポイントレッスンは、「週末前の会話」です。 ●講師 青木順子(ノルウェー語翻訳・講師 ノルウェー夢ネット代表) Trond Vårlid(トゥロン・ヴォーリー)さん Lifestyle Scandinavia Academy(L.S.A.)CEO EMC Quest代表取締役社長 ブログ:http://www.trondvarlid.com/ ●講演内容 講師プロフィール/「ワーク・ライフ・バランス」とは何か?/快適さと福祉(幸福)/ライフスタイル/「普通のノルウェー人」にとっての典型的な1日/価値システム/労働環境、労働時間、休暇/生産性/質疑応答 ●ノルウェー語レッスン 週末前の会話 Samtalen før helgen ●付録 ノルウェーデータ2012 新規参加の方には・・・語学資料「ノルウェー語とは」, その他 ノルウェー大使館、フィンツアー、提供の資料多数 |
●主催者後記 今回のサロンは、早い段階でお申し込みがいっぱいになり、キャンセル待ちとなってしまい、受講を断念された方も多かったと思います。誠に申し訳ありませんでした。 それだけの人気を呼んだのは、トロゥンさんのお話がきっと多くの方に興味を持っていただけたからではないでしょうか?「ノルウェーのワークバランス」というテーマです。 素晴らしいプレゼンテーションでした! 象徴的だったのは、質疑応答で、もうすぐノルウェーの大学へ留学される方が「僕もノルウェーで働きたい」と感想をおっしゃったこと。 私がノルウェーに留学中、現地の新聞に東京のラッシュ電車を大写しにした写真が掲載されたことがありました。それを見たノルウェー人が「僕、日本に生まれなくてよかった」とつぶやいたことを今でも覚えています。 ![]() 「ああはなりたくない」 「あんな風になりたい」 この相反する気持ちで、日々、暮らしていますが、ノルウェー型のライフスタイルは、多くの日本人にとって「あんな風になりたい」ではないでしょうか? トゥロンさんが指摘されたように、「短い労働時間=生産性が低い」ではありません。 私はノルウェー人と何度かミーティングをしましたが、脱線がなく簡潔でしかもきちんと結論のあるものでした。 常に「16時に帰ること!」を意識すれば、1日の過ごし方がぐっと変わりますよね。 またプレゼンテーションの発言で印象的だったのは、「夜の時間も、労働者を使える時間と思っている雇用主」と「夜は、プライベートの時間とわかっている雇用主」の違いです。 後者のような雇用主が、日本でも増えることを願わずにはいられません。 私自身、On/Offの切り替えが苦手なので、トゥロンさんのお話で刺激を受けました! ご参加くださった皆さま、トゥロンさん、ありがとうございました! (Aoki) 初めて順子さんの"ノルウェーサロン"に参加することができ、とても面白かったです。 あんなにもたくさんの日本人が、ノルウェーやノルウェーの”ワークライフバランス”に興味を持って下さったことに感動し、かつ嬉しい気持ちです。 そしてたくさんの興味深い質問も、よかったですね。 ヘルシーで良質なライフスタイルは、日本人にとっても重要なテーマだということは明らかです。 サロンへのご招待をありがとうございました。 参加された皆さま、どうか良い夏をお過ごしください! (Trond) ノルウェーと日本の働き方の違いを身を持って体験している私にとって、今回のテーマは永遠の課題といってもいいほど、実は深く答えを出すことが難しいものです。”個”として見れば、日本人もノルウェー人の働き方に憧れ、同調できるのに、”社会”となるとまったく受け入れることができないものだと感じて半ば諦めてきました。 そんな難題を抱える日本の社会の中で、ノルウェー人のライフスタイルを企業側に提案する取り組みをされているトゥロンさんの働きは、大きな挑戦であり、もしかしたら近い将来、日本人が幸福を得るための救世主になるのかもしれません。 講演の冒頭で、トゥロンさんは参加者の皆さまに質問をなさいました。 「あなたはご自身のワークライフバランスに満足していますか?」と。 答えは揃ってNoでしたね。 同じ質問をノルウェー人にしたらきっとみんなYesと答えるのでしょう。もしくは、日本人とは違うレベルでNoと言い、更なる待遇の向上を訴えるのかもしれません。 伝えたいことがたくさんあってか、お約束のご講演時間では足りないほど語ってくださったトゥロンさん。ノルウェー人に”残業”をさせてしまい主催者としてはお詫びしなければなりませんが、参加者としてはとても楽しかったです。ありがとうございました。 長時間お付き合いくださった皆さまにも、心より御礼申し上げます。 (Yoko) |
←第55回 第57回→ 参加者募集ページへ |