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旅のあれこれ

[Vol.1]

食事は期待しないこと

「旅の楽しみは、食事」という方は、ノルウェー旅行は断念した方がいいかも?
...とは、言い過ぎのようですが、安くて手軽にかつ美味しいノルウェー料理のお店を見つけるのは、かなり難しいです。人件費や税金のせいでしょうか、外食はとても高くつき、かつ、高くてまずい店も存在します。よくガイドブックに載っているオスロのアーケルブリッゲ地区にある「ロフォーテン」というシーフードレストランの味は「?」、値段は「!」。ベルゲンの市場
オスロに住んでいるノルウェー人に「どこかおいしいノルウェーレストラン教えて」と聞いても、「外でノルウェー料理を食べたことない」という驚くべき返事が...。そう、ノルウェー料理は、あまり素材に手を加えない素朴な味なので、家庭でいくらでも再現可能。わざわざ外で食べる必要がないのです。
外食の習慣がなかったノルウェーにも、オスロを中心にレストランやカフェが増えたことは確かです。移民の増加に伴い、オスロ駅東側には、安くておいしいベトナムやタイレストランが多い地区があります。また、お寿司屋さんもオスロでは何軒かあります。
一方、ノルウェーの朝食はいいですね。安いホテルでもいろいろな食材が並んでいるビュッフェスタイルが多いです。ホテルによっては、昼用のオープンサンドイッチを作っても構わない所もあるでしょう。ビュッフェのテーブルにサンドイッチを包む薄い紙「Matpapir」(マートパピール)があれば、作っていいという印です。大したことないオープンサンドイッチも買えば高いので、昼食代節約の為に作ることをお勧めします。

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ショッピングも期待しないこと

ノルウェーセーターとトロール人形
「旅の楽しみは、ショッピング」という方は、ノルウェー旅行は断念した方がいいかも?
すみません、同じ出だしを使ってしまいましたが、ノルウェーに行かれた方なら納得してもらえますよね。そもそも「Made in Norway」の物が少ないので、お土産探しは、毎度苦労します。
観光客に人気のお土産といえば、やはりノルウェーセーターでしょう。ユニークで素朴な模様編みに惹かれて、私も何枚か持っていますが、それほど寒くないのに、暖房の効いている日本の冬には「やや大げさ」という弱点もあります。あと、ノルウェーの民話でおなじみのトロール人形も、お土産屋さんにはたくさん並んでいますが、「値段が高い割には、高く見えない」というお土産として致命的な弱点があります。
オスロを始め、少し大きめの町を歩くと「H&M」と書かれたお店をよく見かけます。スウェーデンが本店のこの洋服屋さんは、イギリスやアメリカにも進出していますが、「チープ・ファッション」が取り柄のお店で、品質よりも安さ第一。わざわざ、買うような服は残念ながらないでしょう。

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夏の天気は、気まま

ここまで読んで、お気づきの方もいるでしょう。「物質的な楽しみ」をノルウェーに求めてはいけないのです!
ノルウェーのいい所は「世界一美しい自然」(と言い切るノルウェー人多し)にあるのです。その自然を楽しむには、やはり夏の晴れた日が最高なのは、言うまでもないでしょう(但し、オーロラは冬の産物)。ということで、ノルウェー旅行成功の鍵を握るのは、ひとえに「天気」なのです。「夏が来れば、暑くなるのは当然」と思いこんでいるのんきで薄着な外国人観光客が、雨が降る肌寒いオスロの町をぶるぶる震えながら、地図を片手にさまよっている姿に、同情の涙をすすったことは、数限りありません。
私が覚えている限りでは、95年の夏は、快晴続きで暑かったです。しかし、96年の夏は、寒かったり曇りが多く、97年の夏は、また快晴続きで日に焼けました。98年の夏は、またまた冴えない夏に逆戻りで、99年の夏は、持ち直しました。
ノルウェーの夏ちなみに今年の夏は、5月の初旬は暑くて晴天が続きました。やっと試験が終わって、「さー遊ぼう」と思っていたら、途端に天気は下り坂。5月の下旬から7月の中旬くらいまで、冴えない天気が多かったです(地方によって違いますが)。8月はいい天気が多かったと聞いています。
フィヨルド観光はノルウェー旅行につきものですが、これほど天気によって印象が変わるものもないでしょう。旅行のパンフレットなどは、晴天の美しい景色ばかりを載せていますが、天気だけは誰にも分かりません。月並みなようですが、セーターや上に着るジャンバー類(防水なればなお良し)は、たとえ夏でも必需品です。

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切符のシステムと夏の時刻表

最初に言っておくと、地下鉄とトラムがある町はオスロだけです。地下鉄といっても、中心地を除けば、ほとんど「地上」を走っています。
運賃は、大人が20クローネです(2000年10月現在)。この普通切符は1時間有効で、地下鉄・バス・トラムどれでも使えますので、1回乗っただけで捨てないで下さい。
地下鉄入り口と長距離列車の車内24時間や1週間有効の切符もあります。この場合は、最初に時刻を専用の機械で打刻し、そこから24時間、または1週間使えます。例えば、10日の13:30に打刻したら、11日の13:30、もしくは17日の13:30まで有効です(ロンドンのシステムとは違います)。
時刻表は、夏用があります。学校が終わる5月末から夏用の時刻になり、夕方からの本数が減ったりします。たとえ首都といえども、夏の間は、1時間に2本しか地下鉄が走らなくなってしまうのです。反対に、夏しか人が来ないような地方の観光地は、夏に交通の便がよくなります。そういう所に、例えば、11月頃に旅行を計画する場合、時刻表をよく確認して下さい。全体的にノルウェーの交通手段は、日本に比べると、とても少なく、不便なことが多いです。忍耐が大切。

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地下鉄の検札

よくヨーロッパの駅には改札がなく、無賃乗車し放題!ということを聞きますが、果たしてオスロの地下鉄でそれは可能でしょうか?やる気のある方にはどうぞ、と言いたいところですが、見つかると500クローネ(6千円強)取られますので、それなりの覚悟がいります。私はなぜか検札に当たる事が多かったので、ほとんど正直に定期や切符を買ってました。検札の方法は、突然、ある駅で大人数の職員が乗りこんでくる方法です。以前、地下鉄で働く人に聞いてみたら、無賃乗車率は、10%くらいと言ってました。私が見ていても、ほとんどの人が切符を持っていました。検札をよくやるのは、中心地方向へ向かう電車と聞いています。夏も多かった気がします。Nasjonalteatret(国立劇場前)の駅構内では、ごくたまに駅員が人間改札のように立っていて切符をチェックした時もありました。そんなことするくらいなら、各駅に自動改札機を設けて、無賃乗車を減らし、高すぎる運賃を少しでも安くするようにすればいいのに、と思うのは、日本人的発想でしょうか?
昔のクラスメートは、「オスロで三年間、切符なんか買ったことない」と豪語していましたが、くれぐれもマネしないで下さい。

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・ クリスマス中に旅行すると..

もう6年前になりますが、クリスマス期間中にデンマークとノルウェーに旅行したことがありました。飛行機の中でも、コペンのホテルでも、話しかけてきたデンマーク人から「なんで、クリスマス中に旅行なんかするんだ?」と何度もしつこく聞かれて、その時は、不思議だったのですが...そのうち理由がわかりました。

個人旅行だったので、食事の心配は自分たちがしなくてはなりません。その前に行ったノルウェーオーロラツアーは、完全食事付きだったので、クリスマス期間中にご飯にありつける大変さをよく知らずにいました。まあでも、コペンハーゲンはオスロよりも大都会だし、何とか食事にありつけました。泊まったホテルのレストランはクリスマス中はやっていなかったので、フロントのお姉さんが親身になって相談に乗ってくれ、アメリカンスタイルのホテルの軽食レストランに席を確保してくれました。クリスマス中、外を歩いているのは、明らかに外国人と分かる人たちばかりで、華やかさよりちょっと寂しい感じがしたのを今でも覚えています。

管理人さんのYokoさんも、確かクリスマス失敗談があると聞いていますが...?

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管理人のYokoです。話を振られましたので登場させていただきます。クリスマスのイルミネーション
そうなのです。それは2年前のクリスマスイヴのことでした。
当時、私の夫は単身でノルウェーのドラメン市(オスロより40km)に在住していて、私は日本で仕事を持っていました。でも、やっぱりせっかくのクリスマス、しかも夫はノルウェーにいる。北欧のクリスマス?きっと素敵に違いないわ。よし、イヴに間に合うように夫の元へ遊びに行こう!と決心し、私は自分の仕事はそっちのけで心を弾ませノルウェーに旅立ちました。私たちの計画では、イヴの夜は首都オスロの中心街でライトアップされた街並みを楽しみ、その後はロマンチックにレストランでお食事といういかにもクリスマスらしいものでした。そこで夫は事前に、どこのレストランがいいかをノルウェー人の友人に尋ねてみました。でも友人からは「その日にオスロ行ったことがないからわからないなあ。」と、気の無いお返事。私たちは、まあ、その友人はオスロに住んでいるわけではないので知らなくても仕方がないかと思い、レストランはその場で探すことにしました。出かける先は一国の首都の中心地、洒落たところはいくらでもあるはずです。ただ、予約をしなくていいのかどうかがちょっと心配でした。
そして、繰り出したクリスマスイヴのオスロ。暗闇の中に輝くイルミネーション、すべては予定通りでその美しさに感動しました。ところが、何かが違っていました。そうです、人がいなかったのです。通常なら若者で溢れるカール・ヨハン通りも、オスロフィヨルドを望む新商業開発地域アーケブリッケも、ライトアップされたクリスマスツリーはあるのに、街全体が廃墟のように静まりかえっていたのです。更には、どこかしら空いているであろうとタカをくくっていたレストランは、空いているどころか開いていないのです!まさかと思ってあちらこちら歩き回ってみましたが、本当にすべてが閉まっていました。私たちは泣く泣く車に乗り、家路につきました。その晩の食事は、アパートの近くのガソリンスタンドに併設されているコンビニで買った冷凍ピザ?か何かでした。はっきり覚えてもいません。それでもコンビニが開いていてほっとしたことは、はっきり覚えています。

ノルウェーではクリスマスイヴのお昼には皆、仕事を終えてそそくさと家に帰ります。スーパーなどのお店も2時くらいには閉まってしまいます。そして家族水入らずで、楽しいクリスマスの時間が始まるのです。日本のような他力本願のクリスマスは、ノルウェーでは考えられないようです。もし、イヴに営業するレストランがあるとしたら、利用客は日本人の観光客ばかりになるのかもしれませんね。
「個人旅行で北欧のクリスマスを楽しみたい」と夢を描いている皆様、もしお出かけになるならば、まずは宿と食事の手配だけはお忘れなく。ホテルもお休みするところがありますので・・・・・。

ノルウェーのクリスマスのことをもっと知りたいと思われた方は、私のホームページ「ノルウェー日記」の中から、『ノルウェーのユール(クリスマス)』の項目をご覧下さい。ノルウェーのサンタクロースのこと、ご馳走やお菓子のことなど、更に詳しくご紹介しています。

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・ 乾燥との闘い


冬になると、薬局には乾燥する肌のために「尿素入りクリーム」が並びますが、私も愛用者のひとりです。
しかし、ノルウェーに旅行または留学または永住される方には、たとえ夏でも、このクリームを携行されることをお勧めします!

別に私は薬品会社からのまわし者ではあーりません。自らの失敗を基に言っているのです。というのも、かの地の乾燥度はすざましく、というか日本が湿めっぽいからでしょうか、「肌から水分がなくなる」実感が大きいのです。例えば、お皿を洗った後、シャワーを浴びた後、指がガサガサになっていることに、あなたは気付くでしょう。いわんや、ボディーシャンプー&ナイロンタオルなどというもので、体を洗ってしまったら!!肌年齢の老化加速は倍になります。

うーーん、書けば書くほど「化粧屋の販促おばさん」みたいですね。

水の種類が違うのでしょうか? 皿洗い用にゴム手袋を買って使っていました。また、カカトの乾燥もすざましく、いまだにガサガサが治りません。もっともこれは、加齢のせい?
ノルウェー人の肌を見ていると、夏の間のむちゃくちゃな日焼け&日頃の乾燥ぶりのせいか、肌に刻まれるシワの深さは、まるでフィヨルドのよう。こうならない為にも、乾燥を甘く見ないことが肝心です。

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・ オーロラツアーの思い出

今年は、11年に1回の「オーロラの当たり年」ということで、旅行会社は、たくさんのオーロラツアーを企画し、新聞やテレビでも、「オーロラ」を扱うものが、多いですね。

何を隠そう私も、オーロラツアーがきっかけで、ノルウェーに初めて旅行し、またそれがきっかけで、ノルウェーにつかってしまった経緯があるので、「なんであんな大金出して、物好きなことするんだ?」なんていうことは、口が裂けても言えません
それにしても、ツアー参加を考えている人、またこれからツアーに行かれる方の不安は、何と言っても、「本当に、オーロラって見えるのかな?」に尽きるでしょう。旅行のパンフレットには、きれいな写真が飾られている一方、保険の約款よろしく虫眼鏡でしか見えない小さな文字で、「オーロラ観測は、100%保証されていません。現地の天候、うんぬん..」と逃げていますが、これもまあ、致し方ない面もあるでしょう。本当に見えるかどうかは運次第、ですから。

ただ私の体験から言うと、ツアー中、ついにオーロラを見ることはできませんでした。けれでも、ツアー自体はとても楽しく、満足のいくものでした。以下、思い出を綴らせていただきます。

参加したのは、1992年12月。クリスマス時期でした。行き先は、北ノルウェーのトロムソおよび近郊の地域でした。
旅行をしたいなーと思い、いろいろパンフレットを集めると、異色のツアーが載っていました。「オーロラツアー&犬ぞり」の文字が踊ったページには、オーロラツアーだけでも「非日常的」なのに、犬ゾリやら、少数民族サーメ人のキャンプ訪問、トナカイとの交流などなど、「まるでテレビの旅番組みたい!」と心踊りました。しかも、こんな盛りだくさんの内容にも関わらず、料金が安い(あとで、その事情を知りますが...)。当時、ノルウェーのことなど殆ど知らず、また天候のことなど心配でしたが、同行者と相談し、決断します。

旅行前の心配は、服装でした。現地で、防寒具を貸してくれると書いてありましたが、同時に「スキー場に行かれるような服装でご参加ください」とも書いてあります。心配して、旅行代理店に北ノルウェーの情報を求めますが、まだオーロラツアーが大流行する前だったので、ほとんど情報はありませんでした。

出発当日、成田空港のツアー集合場所に向かうと、異常に着膨れした集団がありました。そう、その集団こそ、我らが「オーロラツアー」に参加する面々。空港の一角が「スキー場」になってしまった観がありました。
やはり、オーロラツアーに参加する人は、個性的な人達が多かったです。兵庫にたくさんの貸ビルを持ち、「南極にも行ったことがある」おばあさん。「イスラエルにも行きたいけど、一緒に行ってくれる人がいない」と嘆いていました。また、常にビジネスクラスに座っていた大阪の家族3人組。小さな女の子は、かわいい人形を持っていましたが、「ドイツで買ったの」と、言ってました。貧富の差を感じた一瞬です。
その他、新婚旅行の人達が何組かいました。ハネムーンに「オーロラツアー」を選んだ勇気ある(または無謀な?)ご夫婦は、今頃、どうされているでしょうか?懐かしいです。

さて、ツアーのほうですが、まず東京からコペンハーゲンへ。そこから、オスロへ乗り継ぎ、さらにトロムソまで着いた時には、みんなヘロヘロになっていました。トロムソの空港に着いたら、なんと「雨」が降っていて(!)、ツアー客一行、「え、思ったより暖かい!」と驚きました。せっかくの、着膨れが...。
ご存知の方も多いと思いますが、オーロラを見るためには、「寒くて晴れた天気」が必要です。暖かい雨の天気に迎えられた私たち、「オーロラ見えるかな?」と心配が早くもつもりました。

トロムソの滞在ホテルは、SASホテル。トロムソで一番高いホテルで、玄関に大きな白熊の標本が飾ってあります。翌日、少しの自由時間を利用して外に出ましたが、日中、暗いのに驚きました。本当にその頃は、ノルウェーについてほとんど知らなかったので、「太陽が昇らない季節があること」も、知りませんでした。

屋外アクティビティーが始まりました。現地では、青いつなぎが用意され、洋服の上から着込みます。どんなに転んでも雪がはいってこないスグレモノ。
さて、景色は、雪で真っ白いどこまでも広がる大地。日中、2時間ほど地平線上がほんのりと明るくなります。
地元のおにいちゃんたちが運転するスノースクーターの後ろに乗っけてもらい、雪のドライブ。すごいスピードを飛ばすので、「ぎゃー」と悲鳴を上げましたが、するともっとスピードを上げ、ついには転倒しました。すると、周りの景色が、あまりにも白く、また広いので、方向感覚などなくなってしまい、一瞬、足がすくむような経験をしました。広所恐怖症とでも言うのでしょうか。
犬そりも楽しかったです。最初は、犬も利口で、手綱を持っている人間が頼りないと、わざと変なところを走ったり、言うことを聞いてくれません。私は何度もそりから落ちました。でも、やっているうちに、どんどん慣れ、うまく走れるようになる爽快さ!

サーメ人のキャンプ訪問では、トナカイに出会いました。こけのようなえさをむしゃむしゃ食べるトナカイの顔は、かわいいけど、角が大きく、えさをあげながらも、逃げる態勢を保ちました。それなのに、キャンプの中では、焼いたトナカイを食べてしまった..。ごめんよー。
サーメ人は、観光客のためにきれいな民族衣装を着ていました。が、なぜか知りませんが、夏用の衣装で、心なしか寒そうに見えました。キャンプの中では、いろり(?)を囲み、伝統音楽の「ヨイク」を聞かせてもらいました。燃える火を見ながら、不思議な音程で響くヨイクを聞いていると、時間と場所を忘れてしまう感覚に陥ります。

クリスマスシーズンなので、レストランなどはやっていません。ですから、ホテルのレストランで食事を取りましたが、全食事付きのありがたさは、当時まだあまりわかっていませんでした。夕食の時、かわいい男の子がサンタさんのかっこうで、みんなにプレゼントを配り、支配人からはクリスマスカードをもらいました。あと、北極圏に入った記念として、証明書をもらいました!

私たちのバスを運転していたのは、とてもかっぷくのいいおばさんでした。凍った道もお手のもの、の見事なハンドルさばき。また、ガイドさんは、ある晩、わたしたちみんなを自分の家に招待してくれました。参加者総数は、30人近くだったと思いますが、彼女の家は、すごく大きく、きれいで、「お金はあるけど住居は貧しい」国から来た私たちは、うっとりしました。ノルウェーなんて、一体、なにでもうけている国なんだろう?と思っていた私は、驚きました。

結局、トロムソにいる間、オーロラを見ることはできませんでした。ガイドさんからの指示でしょうか、最初から、外に観測にも行かなかったのです。きっと暖冬だったのでしょうね。

その後、オスロに移動します。オスロでも、SASホテル(中央駅近くでないほうの)に泊まりました。トロムソから来ると、オスロがすごい都会に見えました。要は比較の問題ですよね。
オスロ市内の観光も楽しみました。観光客の来ないシーズンですので、バイキング博物館などガラガラでゆっくり見ることができました。夏だと、すごい混雑です。フログネル公園(ヴィーゲラン公園)の散歩も、天気に恵まれ、とても印象に残りました。その時、空の色が不思議なピンクというか、赤というかに染まり、みんなで「これってオーロラみたい」と喜びました。

日本人観光客が喜ぶブランド店が皆無なノルウェー。
アウドドアになりきった一行が、目指した店は「オスロセーターショップ」。なにせ、目にするノルウェー人の多くが、面白い編目のセーターに身を包んでいるのですから、「欲しい!」という気持ちに駆り立てられます。
幸い、私たちが泊まったホテルの地下にこの店はありましたので、冬枯れの季節に、私たちが売上に貢献しました。

旅行中、添乗員さんから聞いた面白い話。
1.日本人のオーロラツアーは、地元トロムソでは、大きな話題となり、地元紙に写真入りで紹介された。内容は、「大金はたいて、トロムソくんだりにやって来る酔狂な日本人」。
2.一流ホテルを使った割には安かった旅行代金。なんとこれは、旅行会社の見積もり違いの金額で、すでにパンフレットに刷ってしまった為、訂正できなかった。ちなみに翌年、同社のパンフレットを見ると、同一内容なのに、料金が10万円ほどアップしていた。

さて、楽しかった旅行もあっという間に終わりを告げました。が、なんと帰りの飛行機の窓から、オーロラの帯を見ることができたのです。おまけのようで嬉しかったのは、言うまでもありません。

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管理人のYokoです。
3度も続けて登場するのは、やっぱりオーロラ体験の情報は多い方が皆様のお役に立つだろうと思ったからです。

私も、「ノルウェー在住中に、なんとしてもオーロラを見たい!」と心ひそかに狙っていた典型的な日本人でした。ところがノルウェーと言っても日常でオーロラが見られるのは北極圏(北緯66度以北)だけ。私の住んでいたドラメンや首都オスロではまず出会うことはありません。30歳を過ぎた友人がかつて一度だけ地元ドラメンで見たと言っていましたが・・・・・
一般的に南部地方に住んでいるノルウェー人に尋ねても、「オーロラなんて今まで見たことがないわ。」と言われるのがオチです。50歳を過ぎたノルウェー語学校の先生が言っていたのですから確かです。(オーロラはノルウェー語ではnordlysノールリース・北の光と言います)。どうしてみんなオーロラに全くと言っていいほど興味が無いのか、日本人の私には理解が出来ませんでした。

私が夫と一緒にオーロラを見るべく旅行を計画したのは昨年の2月のことです。最初はどこに行ったらいいのかがよくわからないので現地の旅行代理店でオーロラツアーを探しました。でも、ノルウェーにそんなものは皆無でした。そこで、私たちがとった手段は「スキー旅行のついでにオーロラが見られたらいいな。」という逃げ腰の計画です。スキー場のあるところなら必ずホテルもオープンしているし、交通手段も整っているからです。周りのノルウェー人たちにも「スキーに行ってくる。」と言えば恥ずかしくないし、納得してもらえました。(内心はオーロラ目当てだったのに!)

そうこうして出かけた先はナルヴィク(Narvik)と言う北極圏の街です。ヨーロッパ最北の鉄道の終点駅があるところと言えば鉄道ファンにはわかってもらえるでしょう。ナルヴィクのスキー場は、ノルウェー北部では最大規模でスキーをしながらロフォーテン諸島を見渡せるというフレコミでした。スキーもオーロラも楽しむにはうってつけの場所だと判断をしました。(実際は日本の志賀高原や蔵王、白馬、北海道といったところのスキー場の方がよっぽど広かった)

さてさて、前置きが長くなってしまいました。結局見られたのかどうかが気になりますよね。私はAokiさんと違って地上から見ることが出来ました!ただ、1週間の行程で、オーロラと初対面をしたのは諦めかけた頃の5日目の夜でした。それも、絵葉書にあるような壮絶なものではなく、ぼんやりしたものや小さいものばかりでした。その後、最終日までに、いくらかはっきりしたカーテン状のタイプも見られて大感動!(していたのはナルヴィクの街中で私たちだけだったかもしれませんが)
結局、その旅以来、私はオーロラにとりつかれています。「一度だけ見てみたい。」が「もっとすごいのを見てみたい。」に変化していくのです。(日本人だけに発病する中毒症状かも)

ナルヴィクのオーロラさて、今回これを読んだ皆様は「なんだ。ノルウェーではあまり綺麗オーロラには遭遇できないのか。」とお感じになるかもしれませんね。答えはYESでもありNoでもあります。
私が今までに見聞したことをまとめて考えると、確率的にはノルウェーは他国に比べると低いと思います。暖流の影響を受けて温暖な沿岸部は晴天率が低いからです。スウェーデン、フィンランドの内陸部、もしくはアラスカの方が高確率でしょう。(つまりは極寒の地です)。
しかしノルウェーでも「ものすごいものを見た。」という声はたくさん聞いています。特に2000年を迎える瞬間に北部の夜空を飾った真っ赤なオーロラは、新年を祝う花火と見間違えられたほどで、地元のノルウェーたちも人生最大級と絶賛する珍しいものだったようです。そんな話を聞けば聞くほど悔しい思いにかられます。
最終的にはやっぱりでしょうか。日ごろの行いとか・・・・?晴れオンナ、晴れオトコ、雨オンナ、雨オトコがいるように、いつでもオーロラに出会えるオーロラオンナ、オーロラオトコが、確かに存在するようです。

ナルヴィクへの旅行記を写真付でご覧になりたい方は、ノルウェー日記の中から『北極圏の冬の旅〜ナルヴィクから〜』をご覧ください。

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・ トリッケンのすすめ

トリッケン(Trikken)とは、トラムまたは路面電車を意味します。
オスロ市内を、走るトリッケンは、1つの路線につき、本数はせいぜい1時間に3、4本で、交通の足として効率的ではないかもしれませんが、町の風景をゆっくり見学するのには、おすすめの乗り物。オスロの地下鉄も、中心地を抜かせば、ほとんど地上を走っているので、景色は楽しめますが、トリッケンは、町中を縫うように走っているので、「あ、ここにこんなお店があった!」と、乗車中、楽しむことができました。

トリッケンの車体の色は、基本的に水色ですが、東京都のバスがそうであるように、オスロの交通機関も、車体に全面広告が施されているものが増えました。派手な色のケバイ広告に彩られたバスやトリッケンを見るたびに、「stygg!」(醜い!)と声を上げるノルウェー人もいますが、ご時世にはかないません。

私は、こうしたケバイ車体を見るたびに、「ヤン・エリック・ヴォルドが泣いてしまう」と思っていました。ノルウェーを代表する詩人である彼は、オスロ生まれでオスロを愛し、トリッケンの線路をモチーフに詩を作りました。インタビューの中で、「トリッケンの色は、昔ながらの水色でなくちゃいけない」とユーモラスに力説していました。家の外壁に水色のものが少ないので、トリッケンには、水色が合うというのが彼の言い分です。彼が言うと、とても説得力があり、私も、「トリッケンの色は、水色じゃなくちゃダメなんだ」と刷りこまれました。

走っているトリッケンをよく見ると、中にはとてもくすんだ水色の車体があります。かなり年季の入った車体で、友達は、そのトリッケンを見ると「あのオンボロ!」みたいに馬鹿にしてました。
なんでも、スウェーデンのヨーテボリ市で使用され、もう古くてお役御免になったトリッケンを、オスロ市が、「貸してちょーだい」とお願いして、月1クローネ(13円くらい)で借りている車体なのだとか...。にわかに信じがたい話しですが、2人以上のノルウェー人から聞いた話です。
そのトリッケンは、良く言うと「クラッシック」な風情をたたえ、ドアも自分で押さなければ開きません(普通のトリッケンでは、ボタンを押すと開くシステム)。ですから、乳母車のお母さん・お父さんには、あまり評判良くないかもしれませんね。

いずれにしても、いろいろなトリッケンが走っていることがおわかりでしょうか?
目的を決めずに、乗ってみるのも楽しいでしょう。オスロは、小さな街ですから、そんなに取り返しのつかない羽目にはならないと思います。

Oslotrikken(オスロのトリッケンのサイト)
↓こちらで水色車体のトリッケンがご覧になれます!ヨーテボリモデルも発見!!(By 管理人)

http://www.oslotrikken.no/


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・ 「夏季睡眠障害」注意報

暗かった冬も過ぎ、日一日と日照時間が長くなる時期。今までの日照不足を補うかのように、人々は「必要以上」に薄着(時に、寒さに耐えながら...)をして、オープンカフェや、公園で日光浴を楽しみます。段々、日が長くなっていく過程は、大げさなようですが、感動的で、「生きていて良かったー」と、しみじみお茶でもすすりたくなります。
国会議事堂の前で日光浴
しかし、夜の10時、11時になっても、まだ外が明るい季節になると、「眠れない」という悩みが生じました。ノルウェーで生活している時は、日本にいる時よりも、体力を使うので、眠くはなるのですが、眠りに落ちるまでに時間がかかるのです。やっと寝ついても、また朝の3,4時とかには明るくなっているので、また目が覚めてしまう。「年を取ったんだよ」と言われれば、それまでなのですが、しかし、日中暗かった冬季には、「睡眠過多なのに、いつも眠い状態」だったので、日照時間と睡眠時間には、関係があるやもしれぬ、と考え始めました。

知人のノルウェー人の中には、私のように「夏季睡眠障害」を起こす人がいて、分厚いカーテンを引いて寝ているとの話を聞き、この症状が、ノルウェー人にもあることを知りました。日照時間と睡眠時間の生物学的・生理学的分析は、理系の人にお任せして、夏は眠れないことに関する心理学的な側面を探ってみましょう。

まず、思いつくのは、「外は明るい。人々は楽しそうだ。私は、こんな地味に寝てていいのか?という焦りから、くることです。夏になると、ノルウェー人たちは、バーベキューを楽しんだり、パーティーを開いたり、いつまでも外でふらふらしていたり、と窓の外から「楽しい音」が聞こえてきます。すると、たとえベッドに入っていても、「自分以外のみんなは、楽しそうだ」と焦り、いじけて、つい、自分のこれまでの半生を振り返り、「私の人生暗かった」と余計、眠れなくなります。
何年も前の夏、オスロの目抜き通り、カールヨハンス通り沿いに立つホテル(グランドホテルに非ず)に宿泊した際、夜遅くになっても、人々が笑いさざめき、楽しそうにカフェで飲んだり、また通りを歩いている姿を、羨望の眼差しで眺めた経験があります。

つまり、「短い夏、寝てたらもったいない」という、生来のケチ性が原因でしょう。暗い冬を耐え(ただ寝ていただけ?)、やっと、素晴らしい季節になって、「モトを取らなくちゃ!」にも似た焦りに襲われるのです。

ただ、こうやって、無理して起きてばかりいると、当然、生活に支障は生じます。また、観光客の方も、私のように夏季睡眠障害にかかってしまうと、旅行日程がキツイ場合、体調を崩すこともあると思います(特に、8日間くらいで北欧4カ国周遊はきつそうですね)。
向こうのホテルなどのカーテンは、薄い場合もありますので、もし、心配ならば、アイマスクなどを持参されるのもいいでしょう。また、明るい夜を楽しみたい方も、毎晩は控えた方が賢明かと思います。

一方、になると、自分でも笑っちゃうくらい眠れてしまうのは、困りものです。いくら寝ても寝足りない状態で、部屋で勉強していても、すぐにベッドで「朝寝、昼寝、夕寝」を貪り、「冬季睡眠過多障害」と自分で診断しました。外は暗いし、部屋の中も、蛍光灯ではなく暖色系の間接照明は、本当に眠気を誘います。
「みんな外で楽しそう」と焦ることもなく、むしろ、「あー、暖かい部屋で、ぬくぬく眠れて幸せー」と、安心し切って寝てました。
冬にノルウェーに行かれる方は、暗い外にめげず、睡魔に邪魔されることなく、ちゃんと旅行の計画を、遂行されることが、大事でしょう。

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