各回のまとめ
■イベントレポート・ブログ転載■


「佐賀・ノルウェー友好協会での出逢い」
(佐賀「ホテルニューオータニ」2014年6月2日)

九州には、たくさんのノルウェーとの友好協会があります。
福岡、長崎、鹿児島、熊本、そして佐賀。

佐賀・ノルウェー友好協会の事務局である松尾建設さんから、講演依頼のメールを頂いたときは「わ、わたしでいいんですか?」と驚きました〜。
でも加齢による図々しさから「ぜひ!」と引き受けて、すごく久しぶりに九州の地に降りた次第です。
看板
佐賀市内のホテル・ニューオータニに宿泊しました。会場は同じ場所です。
部屋で、「一体、どんな方々が来るのかしらん?」と思いを馳せつつ、緊張感が増してきました。
時間になって会場へ導かれると・・・。

そこは、「重厚」という言葉がぴったりの空気でした。
ダークスーツの紳士たちがずらり。女性はわずかです。

「ノルウェーについて学ぶサロン」や「北欧ぷちとり」では圧倒的に、女性の参加者が多いです。
今まで何度か経験した大使館のイベントや自治体主催の講演やイベントでも、ここまで「男性ばかり」という環境はありませんでした。

。。。ということで、さらに緊張MAX!
おばさんだけど童顔のせいで「小娘」のような気分になるって図々しいでしょうか?
パワーポイントを使って(←Yoko管理人がレイアウト仕上げしてくれた)で講演をスタートです。

小心者の私は、何とか「重厚」オーラを軽やかにしようと、ごく控えめな冗談などを織り込んだつもりでしたが・・・会場内はし〜んとした時間が過ぎていきます。
そうそう、書き忘れましたが、テーマは「ノルウェーの家族・子育て支援」などを中心にお話ししました。
労働時間や様々な育児支援の紹介しながら、「ではどうやってノルウェーに近づけるか?」という問題提起をすることにしました。

もちろん税負担や人口の違いもありますが、なんといっても・「不便さをみんなで共有できるか?」
・「他人に寛容でいられるか?」
が私の思いつくノルウェー人と日本人の違いです。

例えば、ノルウェーでは、ほぼ全てのお店が日曜は営業していません。
キリスト教由来による法律ですが、今では「みんなが休める日があった方がいいから」という理由で支持されています。
こんな一例からも分かるように、日本のような「サービス200%!」のような国ではない、と断言できます。
誰かがみんなの犠牲になるのではなく、国民全員で「不便さを共有している」という精神、とでも言えましょうか。

また、長期の育児休暇を取っても「職場に迷惑がかかる」という発想にならないのがノルウェー流。
長い夏休み取得も、有給休暇消化も「当然の権利」です。
講演では触れませんでしたが、いくらノルウェーと同じ育児休暇制度などを導入しても、日本人のメンタリティーがついていけず、制度のみ形骸化するのでは?と悲観的に考えてしまうのが本音なのですが・・・。

講演の最後では、「ノルウェーの今」というテーマで、「増え続ける移民や難民をいかにノルウェー社会に融合させていくか」という古くて新しい問題に触れました。
その際に、ウトヤ島のテロにも言及したのですが・・・後に偶然に驚くことになります。
乾杯
しーんとしたまま私の講演は終わりました。今度は、広いパーティ会場で懇親会が始まりました。
紳士の皆さまに対し、近寄りがたさを感じたのですが、みなさんは慈悲の心で優しく接してくれました〜。
ご挨拶をすると、地元の名士の方ばかり。名刺を頂くたびに「ひょえ〜」とのけぞる気分を必死で抑えます。

そして個々にお話しをうかがっていると、ノルウェーについて造詣が深い方が多いこと!
ノルウェー産のサバは、脂が強くて、当初は日本人の好みに合わなかったことを教えて頂きました〜。今では、大きなシェアを占めているとのこと。
また、グリーグが好きでベルゲンに行かれた方もいらっしゃいましたし、別の病院理事長からも、ノルウェーの高齢化対策について、鋭い質問を受けました。ふう〜。

ウトヤ島のテロと関連しての偶然ですが、友好協会の有志の方々は2011年7月に渡ノルされていて、あのテロは帰国後の数日後に起きたそうです。
帰国して、楽しくノルウェーの旅の思い出を語っていたら、まるで冷や水を浴びせられたようなあの事件・・・本当に驚いたとおっしゃってました。
ですので、副会長の上村先生(病院理事長)は、「ノルウェーの移民問題が気になっていたので、講演でお話ししてくださって良かった」とおっしゃってくれて、嬉しかったです。
子育て
数少ない女性参加者の方たちとも、お話しさせて頂きました。
ノルウェーに行かれて、平日の昼間からベビーカーを引いている男性たちを目撃して、驚かれたそうです。
確かに!私はもう見慣れた光景になっていますが、初めての方は驚きますよね〜。やはり「百聞は一見にしかず」です。
みなさん口を揃えて、「日本でも、自分の子どもの世代は変わってきている」とおっしゃっていました。
「息子はとてもお嫁さんに親切で、家事もやるんですよ。うちの夫の世代はダメだけど」と笑い合います。
そうなんです、日本の男性だって育児や家族との時間を大切にしたいですよね。
それをどう可能にするか、日本とノルウェーのいいところを組み合わせて、できるところから地道に実現へ向けていきたいものです。
頂いたお土産!
東京にいると、たくさんの北欧イベントがあり、情報は向こうからやってくる感があります。
しかし、佐賀の友好協会の皆さんは、講演の時こそ静かでしたが、ノルウェーという国を知ろうとする前向きな姿勢に、改めて初心を思い出させてくれました。

こんな貴重な機会を与えてくださった佐賀・ノルウェー友好協会さんに感謝です!
特に、事務局の松尾建設の皆さまには大変、お世話になりました。
佐賀・ノルウェー友好協会のますますのご発展をお祈り申し上げます♪









2014年6月4日
norway yumenet official blog 140604より転載しました−